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【第25回 口腔保健シンポジウム】(2)ささいな変化 見逃さずに

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平野 浩彦氏

 80歳になっても自分の歯を20本以上保とうという「8020運動」は、1989年の開始当時、該当者が1割もいませんでした。約30年後の今は、5割を超えました。次は、口をどう使っていくか。そこで、オーラルフレイルが注目されています。

 見た目は健康でも、歯が1本抜けたり、入れ歯のかみ合わせに不具合があったり、ささいな口のトラブルが体調を崩すきっかけになることもあります。かめなくなってくると「トシだから」と簡単に軟らかい食事に変えていませんか。軟らかい物ばかり選ぶと、かむ力が落ち、本当にかめなくなっていきます。

 悪い影響が重なっていく「負のスパイラル」は最初はゆっくりですが、トラブルを放っておくと、そこに身体機能の低下などが加わることで、速度を速めます。患者さんには、定期的な歯科受診はもちろん、滑舌の悪化や食べこぼしなどの変化を見逃さないよう、また、食事で1品でも硬いものを食べるよう伝えています。

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 歯が1本抜けたのをきっかけに、かみ合わせがドミノ倒しのように崩れ始めた認知症の女性を治療しました。治療で口の中を整えると、体調も良くなり、笑顔も見せるようになりました。口の中の細菌が血管から心臓に回り病気になった例もあります。歯周病などの口の病気が、心臓病や糖尿病に影響することがあります。

 滑舌の悪さや口の乾きなど、ささいな口の変化に気づいてください。次の段階でかむ力が弱まります。最終的に、かめなくなり、食べたりのみ込んだりするのに支障が出る段階に進むことがあります。こうした症状は「口腔機能低下症」の名前で昨年4月から公的な医療保険が適用され、口の機能を歯科医院でチェックできるようになりました。

 自分で口の機能を確認できる方法もあります。こめかみの少し上にある側頭筋は普通、奥歯でしっかりかむと動きますが、奥歯でかんでもここが動かなくなると、かみ合わせが悪くなってしまった可能性があります。気になることがあれば早めにかかりつけの歯科医師に相談しましょう。

 ◇ひらの・ひろひこ  1990年日本大学松戸歯学部卒業。国立東京第二病院(現・国立病院機構東京医療センター)研修医、東京都老人医療センター医長などを経て、東京都健康長寿医療センター研究所専門副部長。2016年から同センター歯科口腔外科部長。

 参考になるウェブサイト
◇日本歯科医師会 テーマパーク8020
https://www.jda.or.jp/park/
◇サンスター オーラルフレイル情報サイト
http://jp.sunstar.com/oral-frail/

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