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熱中症搬送 1万8000人…「高齢・屋内」目立つ

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 梅雨明けからの猛暑で、熱中症になる人が急増している。直近1週間に救急搬送された人は全国で1万8000人を超えた。目立つのは「高齢者」と「屋内」。気象庁は今後も猛暑が続くと予想しており、専門家はエアコンで室温管理するなどの対策を呼びかけている。

室温管理呼びかけ

熱中症搬送 1万8000人…「高齢・屋内」目立つ

暑さ対策グッズが並ぶ天神ロフトの特設コーナー(福岡市中央区で)=貞末ヒトミ撮影

 今月2日、佐賀県伊万里市の住宅敷地内で、意識を失い倒れている80歳代の女性が見つかった。救急隊員が駆けつけたが、その場で死亡が確認された。同市ではこの日、農地で倒れていた80歳代の男性の死亡も確認された。同市は午前中から気温が30度を超え、最高気温は33.8度だった。

 総務省消防庁によると、7月29日~8月4日の1週間に熱中症で救急搬送された人は全国で1万8347人(速報値)。前年同期より約6000人多く、前週(7月22~28日)の3倍以上に増えた。福岡県でも591人、山口県で158人が搬送された。

 昨年は7月に猛烈な暑さに見舞われ、2万2000人超が搬送された週もあった。今年の梅雨明けは、関東甲信で昨年より30日、九州・山口で15日遅かった。「梅雨寒」で体が暑さに慣れる前に、気温が急上昇したことが、8月に患者が急増した要因とみられる。

 年代別では、1万8347人のうち、65歳以上の高齢者が9963人で全体の54.3%を占めた。発生場所で最も多いのは、敷地を含めた「住居」で41%(7525人)。飲食店や病院など不特定多数が出入りする施設の屋内も8.9%(1625人)に上った。

 帝京大病院(東京)の三宅康史・高度救命救急センター長は「高齢者は体力が衰えているのに暑さを感じにくい。ただ、今は誰もが熱中症になりうることを知り、対策を講じるべきだ」と指摘する。

 三宅センター長は具体的な対策として、▽暑い場所に長時間いない▽のどが渇く前に定期的に水分を取る▽保冷できる水筒を持ち歩く――などを挙げ、「屋内でも室温を把握し、しっかりエアコンを使うようにしたい」と話す。

 屋外で業務にあたる職種の対策も参考になる。警備会社「にしけい」(福岡市)は、わきの下に保冷剤を装着できる市販の「クールホルスター」を警備員に配備する。わきの下には太い血管が通っており、体を冷やすのに効果的だという。

 着ぐるみを派遣する大阪府の会社では、中に入る人に、保冷剤の入ったベストや気化熱で涼しくなる下着を着用させている。

 福岡市・天神の雑貨店「天神ロフト」では、約400種類の暑さ対策グッズをそろえたコーナーを設けた。手で持ったり、首からかけたりするタイプのミニ扇風機が売れ筋で、既に売り切れた商品もある。肌に塗る冷却クリームや、水にぬらして首に巻くスカーフなども人気があるという。

 天神ロフト広報担当の岩崎弥生さん(33)は「幅広い世代で暑さ対策に関心が高まっている。年配の人が農作業やジョギング時に使うミニ扇風機を買い求める姿が目立っています」と話している。

熱中症の予防と対策

 室内では

▽無理な節電はせず、適度に扇風機やエアコンを使う。室温をこまめに確認する

▽遮光カーテン、すだれを利用する

 外出時は

▽日傘や帽子を着用。日陰を利用し、こまめに休む

▽天気の良い日は、日中の外出をできるだけ控える

 屋内、屋外でも

▽保冷剤や氷などで体を冷やす

▽こまめに水分、塩分を補給する

(厚生労働省のホームページから)

暑さ 当面続く

 福岡管区気象台が8日午前に発表した週間天気予報では、九州北部・山口は高気圧に覆われ、最高気温は平年より、かなり高い日が続くとしている。

 福岡県では、12日まで最高気温が35度以上の猛暑日となる見通し。その後は湿った空気の影響で雲が広がりやすくなるが、気温は30度以上になると予想する。最低気温も25度以上で、熱帯夜が続くとみている。山口県でも最高気温が30度を超える日が続く見込みだ。

 同気象台は「気温が高い状態が続くため、熱中症になる恐れがある。健康管理に注意してほしい」と呼びかけている。

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