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街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー

コラム

「あのお年寄り、認知症かも」と思ったら…行方不明を防ぐために

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 ヨミドクターをご覧のみなさま。サービス介助士インストラクターの冨樫正義です。今回は以前のコラムに引き続き、認知症と思われる高齢者への応対についてです。

生命に関わることも

 ここ数年、認知症高齢者の 徘徊(はいかい) が原因と思われる事故のニュースをしばしば耳にします。高齢者が行方不明になったという行政の無線放送を聞くこともあります。実際、2017年、警察に行方不明者届が出された人のうち、認知症か、その疑いがある人は1万5千人を超えています。認知症の症状により、自分がどこにいて、何をしたいのかわからなくなって徘徊につながるケースは、生命に関わることもあり、とても危険です。そうなる前に、気が付いた人が声をかけ、身の安全を確保したいところです。

 では、なぜ認知症の人は徘徊するのでしょう。徘徊という言葉には、「あてもなく歩き回ること」という意味があるため誤解されがちですが、実は、認知症による徘徊の場合、何かしらの理由があって歩いていることが多いのです。ご自身の目的に向かって歩いている場合も多く、一見して徘徊とは思われにくいこともあります。

 認知症の症状には、基本的に誰にでもみられる「中核症状」と、人によって異なる「行動・心理症状(BPSD)」があります。中核症状とは、認知症の中心となる症状で、記憶力の衰えによる「記憶障害」、今いる場所や時間、いつも顔を合わせている人が誰か分からなくなる「見当識障害」や「判断力の低下」などがあります。「行動・心理症状(BPSD)」は中核症状にともなって起きる二次的な症状で、個人差があり、要因には「不適切な環境」「不適切なケア」「その人の性格」「感染症や脱水などの身体的な疾患」「薬の副作用」などが考えられます。複合的な要因で起こることもあります。

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冨樫正義(とがし・まさよし)

 1973年、埼玉県生まれ。桜美林大学大学院卒(老年学研究科修士号)。日本サッカー協会 施設委員。法律事務所、不動産関係会社、人事コンサルタント、専門学校講師を経て、現在、サービス介助士、防災介助士、認知症介助士などを認定・運営する団体「公益財団法人日本ケアフィット共育機構」(0120‐0610‐64)のインストラクターとして、年間50社以上の企業対象研修を担当するほか、企業のバリアフリー・ユニバーサルデザインのコンサルティングも行う。

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