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「コードを引っ張って電気ケトルが」「祖父母が置いた薬を」…帰省先で危険な子どもの事故を知ろう

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 お盆の時期です。帰省される方も多いと思います。前回は旅行にまつわる子どもの健康についてお話ししました。それに続き、今回は帰省時に起きやすい子どもの事故の話です。

 親の実家を訪れた子どもにとって、そこに広がるのは大人の空間です。子どもの事故予防に気を配っている子育て世代の家とは、環境がまるで違います。実家に限らず、子どもが普段いない場所は、事故を防止する対策がなされていないことが多いのです。また、子どもは好奇心が旺盛で、見たことがないものに触りたがる傾向があります。これは「探索行動」と言って、正常な発達の過程に表れますが、これが事故につながることもあります。

「コードを引っ張って電気ケトルが」「祖父母が置いた薬を」…帰省先で危険な子どもの事故を知ろう

イラスト:江村康子

機器を開けてボタン電池を誤飲

 それでは、帰省先には、子どもにとってどのような危険があるのでしょうか。

 先日、ツイッターを使って、「帰省の際にどのようなヒヤリハットがあったか教えてほしい」と呼びかけたところ、多くの体験談が集まりました。机の上に置いてあるはさみやカッターナイフ、机や階段からの転落、初めての食材を食べさせたことによるアレルギー発症など、様々な予期せぬトラブルの報告が集まりました。その中に、「誤飲」と「電源コード」に関する事例がありました。

 帰省先で起きる事故の中でも、代表的なのが誤飲です。人が集まる場所では誤飲事故が増えるとされており、お盆や年末年始には注意しなくてはいけません。

 最近は、ボタン電池の誤飲が増えています。ボタン電池は小さいため誤飲しやすく、その場合、内視鏡や手術による処置が必要です。チャイルドプルーフ(子どもが扱って事故が起きないような工夫)になっていて、子どもには開けられない製品もあります。しかし、覚えておいてほしいのは、ボタン電池を誤飲する事故の半数近くは、機器を開けて取り出した電池によって起きていることです。

 体温計やキッチンタイマーなど身近なものに使われているので、ふたが開けやすい状態になっていないか確認してください。最近のおもちゃは、子どもには開けられないよう工夫されたものも多いのですが、100円ショップなどで売られている安価なおもちゃには、そうではない製品もあります。帰省先ですぐに安く購入できるため、便利なのですが、こうしたおもちゃに潜む誤飲リスクについて、知っておいていただきたいと思います。

少量でも子どもに危険な薬も

 このほか、目立つのは薬物の誤飲です。特に、家族が使っている薬の誤飲は非常に多く、時間帯は夜が多いと報告されています。帰省先では、祖父母が自分用の薬をテーブルに置きっぱなしにし、それを子どもが誤飲するパターンがあるため注意が必要です。抗うつ薬や血圧の薬(降圧薬)、糖尿病の薬(血糖降下薬)など、少量でも子どもには危険な薬もあります。1歳児の半数は、錠剤を包装シートから取り出せるという報告もあり、油断は禁物。子どもは大人の行動をまねするため、薬を飲む様子を見せないよう心がけましょう。

 薬箱には気をつけていたけど、家族のカバンの中にあった薬を取り出して……というケースもあります。いつもの置き場所以外に、どんなところに薬があるのか、確認しておきましょう。

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坂本昌彦(さかもと・まさひこ)
 佐久総合病院佐久医療センター・小児科医長
 2004年名古屋大学医学部卒。愛知県や福島県で勤務した後、12年、タイ・マヒドン大学で熱帯医学研修。13年、ネパールの病院で小児科医として勤務。14年より現職。専門は小児救急、国際保健(渡航医学)。日本小児科学会、日本小児救急医学会、日本国際保健医療学会、日本国際小児保健学会に所属。日本小児科学会では小児救急委員、健やか親子21委員。小児科学会専門医、熱帯医学ディプロマ。現在は、保護者の啓発と救急外来の負担軽減を目的とした「教えて!ドクター」プロジェクトの責任者を務めている(同プロジェクトは18年度、キッズデザイン協議会会長賞、グッドデザイン賞を受賞)。

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