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「教えて!ドクター」の健康子育て塾

コラム

「コードを引っ張って電気ケトルが」「祖父母が置いた薬を」…帰省先で危険な子どもの事故を知ろう

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一口で飲み込める加熱式たばこ

 次にたばこです。従来の紙巻きたばこは苦いので、たくさんの量を誤飲することは少ないのですが、たばこを浸した灰皿の水などにはニコチンが濃縮されているため注意が必要です。喫煙人口の減少で事故件数自体は減っていますが、一方で、加熱式たばこの誤飲事故が増える傾向にあります。

 加熱式たばこは、たばこ葉を高密度に詰めたスティックを加熱してニコチンを含む蒸気を発生させ、それを吸い込むものです。スティックが小さく、一口で飲み込めてしまう大きさのため、従来の紙巻きたばこ以上に誤飲のリスクがあります。帰省先でのたばこ誤飲を防ぐために、加熱式たばこも含め、帰省先の家の中に持ち込まないルールを作れるとよいのですが……。

 小さな生活用品は、乳幼児の手の届かない場所(高さ1メートル以上)に置くことを徹底しましょう。万が一、飲み込んだ場合は、家庭で無理に吐かせず、病院に連絡して受診してください。詳しくは以前のコラムをご参照ください。

コードをかんで感電することも

 帰省先では、電源コードを引っ張ることによる事故も珍しくありません。子どもが転倒するだけでなく、アイロンや電気ケトル、加湿器などを引っ張って落とし、やけどにつながる危険もあります。

 コードは、子どもが引っ張ることを想定し、引っ張っても落ちないようレイアウトの工夫をしましょう。また、引っ張るとたやすくコードが外れたり、倒れても中身がこぼれたりしない製品を選ぶことや、コードの位置が1メートル以上の高さになるよう部屋のレイアウトを見直すのも有効です。

 数は少ないものの、赤ちゃんがコンセントにつながったままの電源コードをかんで感電し、口の周りにやけどをすることもあります。国内では、ヘアアイロンやこたつ用の電源コードで感電したという報告があります。感電によるやけどは、一見、傷が軽くみえても、内部の筋肉や血管まで傷ついている可能性があります。帰省先に置いてある古い家電製品は、電源コードが経年劣化し、絶縁体が知らないうちに破損しているケースもありますので、子ども連れの帰省前には家電製品のチェックを今一度お願いします。

祖父母と父母が共通認識を

 帰省先で起きやすい事故の例として、誤飲と電源コードについて取り上げました。祖父母と父母では、子育ての時代背景や常識も違いますが、できるだけ共通認識を持つことで世代間のストレスも軽くなります。私たち「教えてドクター!プロジェクト」では、子どもの病気やホームケアについての無料アプリを制作しています。お盆で帰省された際には、皆さんで一緒に対処法などをご確認いただければと思います。(坂本昌彦 小児科医)

参考文献:
  1. 木村仁志、坂本昌彦:子どもの誤飲.medicina56(4):392-397,2019
  2. 天本正乃:誤飲・中毒.小児科診療81 suppl:79-80,2018
  3. 越智史博、宮本真知子ほか:小児口腔電撃傷の1例.小児科臨床67(11):2233-2237,2014

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坂本昌彦(さかもと・まさひこ)
 佐久総合病院佐久医療センター・小児科医長
 2004年名古屋大学医学部卒。愛知県や福島県で勤務した後、12年、タイ・マヒドン大学で熱帯医学研修。13年、ネパールの病院で小児科医として勤務。14年より現職。専門は小児救急、国際保健(渡航医学)。日本小児科学会、日本小児救急医学会、日本国際保健医療学会、日本国際小児保健学会に所属。日本小児科学会では小児救急委員、健やか親子21委員。小児科学会専門医、熱帯医学ディプロマ。現在は、保護者の啓発と救急外来の負担軽減を目的とした「教えて!ドクター」プロジェクトの責任者を務めている(同プロジェクトは18年度、キッズデザイン協議会会長賞、グッドデザイン賞を受賞)。

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