医師が教える「女と男、髪と地肌の話」 田中洋平
医療・健康・介護のコラム
自分で剃ってみたらわかった、髪の意味
グレーヘアが見直されてはいるものの……
なぜ、人は頭髪にこだわるのでしょうか。
性別、年齢、国籍を問わず、多くの方が定期的に理髪店やヘアサロンに出向いて、頭髪を自分の好みのスタイルに仕上げてもらいます。カットだけでなく、ウェーブ(パーマ)をかけたり、カラーリングをしたりと、頭髪がおしゃれを楽しむ重要なパーツであることは間違いなさそうです。
少しでも自分のイメージ通りに頭髪を、そしてスタイリングを仕上げるために、シャンプーやトリートメントにこだわる方も多いですし、最近では「髪に良い」とされる頭皮洗浄やマッサージを組み合わせた「ヘッドスパ」をメニューに導入しているヘアサロンも少なくありません。
女性の場合、美しく、健康的な頭髪を保つために、あるいは思い通りのスタイリングにするため、日々費やしている時間は短くないでしょう。また、年齢とともに、ハリやツヤ、しなやかさが失われていくのは、髪もお肌も同じで、その対策に費やしている時間はさらに短くないでしょう。
老若男女を問わず、ホルモン、ストレス、加齢など様々な要因により、薄毛、抜け毛が進行し、外見上の衰えに大きな影響を与えるとあって、それで気にする方も多いように見受けられます。
現在はアンチエイジングが大流行です。髪が衰えていくことは、男女ともに加齢の進行を目立たせてしまう大きな要因になります。
「グレーヘア」の魅力が見直されている昨今でも、いつまでも健康でしなやかな黒髪を保てれば、何も問題はありません。10代の頃のような生きのいい頭髪が残っていれば、鏡を見ることももっと楽しくなることでしょう。
今の医学では、内臓や脳、骨や肌と同様、髪の老化をストップさせることは、臨床上ではまだできないとされています。ただし、毎日の生活における意識で、ある程度、それを遅らせることは可能です。
この連載では、形成外科、皮膚科、アンチエイジングの医師として、医学的な角度から、人間の髪の健康、そして髪が生える地肌の健康について、みなさんと一緒に考えていこうと思います。
私が医師として、これまで何をやってきたのか、今、何をやっているのかについては、連載の中で徐々に紹介していくことにしましょう。
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