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うんこで救える命がある

コラム

夏は楽しむ前に予防をしよう

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熱中症にご注意

 これからの季節、ニュースなどでも耳にすることが多くなる熱中症。地球温暖化によって日本でも異常な猛暑が続くようになり、昨年度の5~9月は熱中症による救急搬送者の数が前年の倍近くの9万5137に上りました。消防庁のホームページに熱中症情報がよくまとまっています。

 熱中症の原因は、体内からの水分と塩分の喪失によるものです。猛暑の中にいると気温とともに体温も上昇するので、体は発汗によって体温を下げようとします。その汗には、水分だけでなく塩分も含まれており、この両方が失われることで脱水症になります。脱水症状の状態を治療せずに放置してしまうと、重症化していきます。

 日本救急医学会が2015年に出した「熱中症診療ガイドライン」によると、熱中症の分類と重症度は以下の表のようになります。熱中症を疑う人を見かけた場合には、まずは現在の状態を確認し、対応を考えましょう。

夏は楽しむ前に予防をしよう

熱中症の応急処置

 緊急搬送が必要な場合は、救急車を呼んだ後に、まずは応急処置をしてください。応急処置には大きく二つ、<1>水分補給と<2>体を冷やすことが重要です。

 熱中症では水分とともに塩分(ナトリウムなどの電解質)が喪失するため、水分の補給に加えて適切な電解質の補給が重要です。スポーツドリンクでもある程度の塩分は補給が可能ですが、「OS─1(オーエスワン)」などで知られる経口補水液の方がより効果的に塩分補給ができます。入手できるなら、まずは経口補水液を飲みましょう。飲めない場合には点滴が必要になりますので、早めに医療機関を受診してください。

 体を冷やす方法ですが、軽症で動ける場合はクーラーなどのしっかり利いた場所へ移動しましょう。冷所が確保できない場合には、水風呂に入る、水をかけ続ける、氷を脇の下や 鼠径(そけい) 部に当てるなどの物理的な冷却作業を行ってください。

暑い日には予防が必要

 気温が31度を超えると熱中症患者が増加し、35度を超えると救急搬送者が増えると言われています。このような日には、しっかりクーラーを使うなどして室内温度を下げ、経口補水液をこまめに飲むのが一番です。経口補水液がなかなか手に入らない場合や、「ちょっと味が……」と苦手な方は、麦茶や梅昆布茶などにも失われがちな電解質を含むミネラルは多いとされています。また、 味噌(みそ) 汁などでも塩分と水分の両方を補給できます。最近だと、塩分の多い (あめ) やキャラメルなども販売されています。

 最後に、熱中症は炎天下特有のものではありません。湿気の多い時期や曇りの日、日中だけでなく夜間や屋内でも起こる可能性が十分あります。暑いと感じる場合は、どんな時・どんな場所でも注意が必要です。特に高齢者や幼児は「暑い」と感じる力が鈍いため、周りからの呼びかけや見守りも重要となります。

 夏休みの予定が決まっている方は、熱中症予防の準備も万端にしてからのお出かけをオススメします。特に予定が決まっていないという方は、おじいちゃん、おばあちゃんの家に「OS─1」を持って遊びに行くととても喜ばれますし、家族でできる熱中症予防対策としても最高の夏休みの使い方になると思います。

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ishiyousuke_prof

石井洋介(いしい・ようすけ)

 医師、日本うんこ学会会長

 2010年、高知大学卒業。横浜市立市民病院炎症性腸疾患科、厚生労働省医系技官などを歴任。大腸がんなどの知識の普及を目的としたスマホゲーム「うんコレ」を開発。13年には「日本うんこ学会」を設立し、会長に就任。現在は、在宅医療を展開する山手台クリニック院長、秋葉原内科saveクリニック共同代表、ハイズ株式会社SHIP運営代表、一般社団法人高知医療再生機構特任医師。著書に「19歳で人工肛門、偏差値30の僕が医師になって考えたこと」(PHP研究所)など。

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