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コラム

『「みんなの学校」から社会を変える~障害のある子を排除しない教育への道~』 木村泰子、高山恵子著

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『「みんなの学校」から社会を変える~障害のある子を排除しない教育への道~』 木村泰子、高山恵子著

 「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」を教育理念とした大阪市の公立小学校。障害のある子どもとない子どもが同じ教室で学ぶ姿は、ドキュメンタリー映画「みんなの学校」(2015年)として、多くの人の共感を集めた。

 本書は、映画の舞台となった同市立大空小学校の木村泰子・初代校長と、ADHD(注意欠陥・多動性障害)など発達障害の支援活動を展開する「NPO法人えじそんくらぶ」の高山恵子代表による対談を収めている。

 校門には「インターホンを鳴らしてお入りください」とあり、地域の人たちが自由に訪れる。校則はなく、あるのは「自分がされて嫌なことは人にしない、言わない」という「たった一つの約束」だけだ。誰も排除しないこと、人と一緒に生きていくことを大事にしながら、多様な個性を持つ子どもたちを地域ぐるみで育てていく教育実践の実像が生き生きと語られている。

 「『障害がある』『障害がない』という『くくり』で考えるから混乱するのです。大切なのは『その子にとって、必要なことは何か?』です」(木村)。枠に当てはめ、異質のものを排除しがちなのは、子どもの教育に限らない。取り繕うことなく率直に語られた言葉は、多様性を包む社会が求められる今、多くの大人たちに生きるヒントを与えてくれるだろう。

 (小学館新書 800円、税別)

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