文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

「続・健康になりたきゃ武道を習え!」

コラム

筋力、スタミナ、自律神経… 空手でパワーアップ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 小学6年生の黒帯、 尾上(おのえ)玄樹(げんき) 君(11)が所属する極真会館総本部代官山道場。5月のある日、少年部の稽古風景を見せてもらった。

 この日の指導は、総本部正指導員で、横須賀道場責任者の四段、日比野丈二さん(49)。月に2、3回、代官山道場でも少年部を指導している。

10種目以上のサーキットトレーニングを30分

 集まった道場生は、幼稚園児から小学6年まで約20人。

 多くの武道と同様、稽古は礼から始まった。

 「全員正座!」「神前に、礼!」「黙想!」「師範に、礼!」「 ()() !」

 軽くジャンプした後、膝の屈伸。腰を回し、肩・首・膝などを回し、今度はお尻を床につけて開脚し、胸を床に……などなど、柔軟体操を入念に行う。

筋力、スタミナ、自律神経… 空手でパワーアップ

両手を床に着けた腕立て伏せの状態で向かい合い、片手で相手の肩にタッチする。一見、簡単なようだが、体幹の筋肉(インナーマッスル)が鍛えられそうだ。右が玄樹君(昨年8月、代官山道場で=鈴木竜三撮影)

 続いて空手の基本動作に入るのかと思いきや、今度はあおむけの状態から上半身を起こす腹筋、うつぶせから両手両足を高く上げる背筋、太ももの筋肉を鍛えるスクワットなど、10種目以上の運動を各15秒ずつ次々とこなしていくサーキットトレーニングを行った。

 柔軟体操で体をほぐし、筋肉と心肺機能の両方が鍛えられるサーキットトレーニングを合わせて約30分。もう、これだけで十分、体が強くなりそうだ。

 乱れた道着を直し、深呼吸を繰り返して呼吸を整え、ようやく基本練習が始まった。

 日比野さんは「少年期は運動神経や体力がぐっと伸びる時期なので、空手の技術を習得するための土台となる筋力や持久力、瞬発力、バランスなどを総合的に身につけさせたい。1時間の練習時間の中でなるべく飽きないよう、毎回、工夫して異なるメニューを考えるようにしています」と話す。

インフルエンザ以外は遅刻・早退・欠席ゼロ

 さて、尾上玄樹君。

 4歳の時から空手の稽古を続けてきて、身体的にはどう変わったのだろうか。

 小学校に入学して5年と数か月の間、一度だけインフルエンザで5日間休んだことがあるが、それ以外は遅刻・早退・欠席はゼロだそうだ。

 母親の ()() さんは「玄樹は小さい時から多い時には週に4、5日、稽古に参加してきました。稽古自体で筋力やスタミナも付くのはもちろんですが、夏も冬も道着1枚で練習することで、季節ごとの空気を肌で感じ、丈夫になった面があるのかもしれませんね」と分析する。

 補足すると、今はエアコンがあるおかげで、夏は涼しく、冬は暖かい部屋で、1年中、快適に過ごせる。しかしそのせいで、汗をかけない人が増えたと聞く。体温を調節する能力が低下すれば、夏には熱中症になりやすくなるだろうし、冬には風邪をひきやすくなることも想像に難くない。たとえ寒い冬でも、道着1枚で体を動かしているうちに体がポカポカと温かくなり、汗もかく。こうした体験の積み重ねで、自律神経(交感神経と副交感神経)など体に本来備わっている様々な機能が十分に働くようになるのではないだろうか。

「長距離なら、ずっと走れる」

 毎年2回開かれる極真空手の総本部の合宿では、空手の稽古のほかマラソン大会があり、7月の合宿では小学2年生以上は10キロ、1月の合宿では小学3年生以上は9キロ走る。玄樹君も毎回参加し、完走してきた。おかげで、「長距離なら、ずっと走れる」(玄樹君)ほどの体力が身についた。

 日々の稽古で体を満遍なく動かし、合宿で長距離を走っていれば、そりゃ、体は丈夫に、健康になるはずだ、と納得した。

1 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

yamaguchi_main3_400

山口 博弥(やまぐち・ひろや) 読売新聞東京本社編集委員

 1962年福岡市出身。1987年読売新聞社入社、岐阜支局、地方部内信課、社会部、富山支局、医療部、同部次長、盛岡支局長、医療部長を経て、2018年6月から編集委員。同年9月から1年間、解説部長も兼務。医療部では胃がん、小児医療、精神医療、慢性疼痛、医療事故、高齢者の健康法、マインドフルネスなどを取材。趣味は武道と映画観賞。白髪が増えて老眼も進行したが、いまだにブルース・リーを目指している。

「続・健康になりたきゃ武道を習え!」の一覧を見る

1件 のコメント

コメントを書く

個と組織のchemistry 西医体

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受

おかげさまで、医学生は夏の大会で優勝を手繰り寄せました。 直近ではSNSで、少し軽口やブラックジョークも飛ばしました。 あまりに、サッカーに集中...

おかげさまで、医学生は夏の大会で優勝を手繰り寄せました。

直近ではSNSで、少し軽口やブラックジョークも飛ばしました。
あまりに、サッカーに集中し過ぎると良くないと思ったからです。
その辺、サッカー以外も含めて、色々と考えていました。

それは指導なのか?

これは、人によって見え方が変わるでしょう。
何故かと言えば、自己の意味や感じ方が人によって状況によって大きく異なるからです。
普通の子供はその連続性が見えないから、気まぐれで、気分任せですよね?

毎日同じ道場に行っても、毎日が完全に同じなわけではなく、生徒も指導者も成長もあれば、気分や体調も違います。

その辺の、個と組織の雰囲気と表情を見ながら、チームの化学反応がうまくいくように考えていました。
自分の役割は化合物なのか触媒なのかリトマス試験紙なのか?

自主性と能力があれば、僕の間違いや勘違いを部員が修正をかけることもできますし、誰かと競ったり、良い所を見せようとすれば成長速度は速まります。

医学生がプロ選手以上になる事を求めている人は極めて少ないと思いますが、そのプロセスが良い医師を作るのであれば是とされるでしょう。
ある意味で、日本社会への「ちょうせん状」でもありますし(平仮名にすることにも意味があります。)、勉強と仕事とサッカーしかわからない自分が孤独にならないためのエゴでもあります。

さて、大会は終戦記念日を挟みましたが、日常があってスポーツや武道ができますね。
平和が当たり前なのか、そうでないのかはわかりませんが、痛みや敗北から学ぶことの方が多いようにも思います。

姿勢の話も同じで、あるいは、あんまり厳しく言わずに、気づいた時でいいのかもしれません。
その代わり、思い出したときはいつも口に出す必要があります。
途切れても、また続ければいいというより多くの人へのメッセージにもなります。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、ヨミウリ・オンライン(YOL)、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事