「続・健康になりたきゃ武道を習え!」 山口博弥
医療・健康・介護のコラム
「この男は実在する!?」の極真空手 小6男子にどんな効果?
3年前に連載したコラム「健康になりたきゃ武道を習え!」(2016年5月~12月、全13回)では、私の長年の武道経験に、医療取材で得た知識を加味して、「武道の健康への効用」を紹介しました。あくまで、私の個人的な体験と考えをベースにしたコラムでした。
では、私以外の武道愛好家はどうなのか。私と同じように「武道のおかげで心と体が健康になった」と実感しているのでしょうか?
そこで、東京都内の空手道場に通う人たちを取材し、自身の体験や思いを聞かせてもらおう、というのが今回のコラムの趣旨です。
では、さっそく始めましょう!
受け、突き、蹴り 緩急ある美しい動き
「セイッ、セイッ、セイッ!」
特設ステージの上で、横3列に並んだ子どもと大人たちが、大きな気合もろとも正拳中段突きを繰り出す。
5月12日昼過ぎ、東京都渋谷区の区立鉢山中学校で開かれた地域イベント「えびすふれあい広場」。ステージで演武を披露したのは、国際空手道連盟極真会館総本部代官山道場の道場生たちだ。
突き、蹴りなどの基本稽古の後は、相手との攻防を想定して組み立てられた技を単独で見せる「型」(流派によっては「形」と表記する)の演武。道場生たちの中で、ひときわキレのある動きを見せていたのが、目黒区に住む小学6年生、 尾上玄樹 君(11)。初段、黒帯だ。国際親善大会の「型」部門で4位に入賞した経験もある。受け、突き、蹴りを決めるたびに道着が「シュッ」と音を立てて風を切り、緩急のある動きは舞のように美しい。

型の演武。手前右端が玄樹君。この立ち方は「騎馬立ち」。空手にはほかにも「前屈立ち」「後屈立ち」といった、腰を落とした(膝を曲げた)立ち方が多く、稽古を続ける中で自然と足腰が鍛えられる
見事な「かけ蹴り」一発で板が真っ二つ
演武の最後は、拳や 手刀 、肘、足などで板を割る「試し割り」だ。正拳突き、前蹴り、回し蹴り、飛び蹴り……。子どもたちが向かって左から、それぞれ違う攻撃技で板を次々に割っていく。トリを務めるのは玄樹君。通常の回し蹴りとは逆に、内側から外側に足を回し、かかとで標的を引っかけるように蹴る「かけ蹴り」という難しい技に挑戦。見事、一発で板が割れると、集まった人たちから大きな拍手が送られた。

玄樹君が「かけ蹴り」で板を割った連続写真。実は以前、別の演武会で、この技で試し割りに失敗したことがあるそうだ。今回はリベンジ成功!
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ついに、形を変えて連載再開ですね。 コメント欄を見て、3年前は、4年前の惨敗を踏まえて夏前だけ教えに行ってたことを思い出しました。 直前の戦術変...
ついに、形を変えて連載再開ですね。
コメント欄を見て、3年前は、4年前の惨敗を踏まえて夏前だけ教えに行ってたことを思い出しました。
直前の戦術変更も含めて、無事初戦突破を果たした2016年の香川での西医体サッカー。
今年は来週に迫りましたが、昨年の秋からかなりスケールアップしたと僕自身は感じています。
武術ではないですが、ボールを止めるたたずまいも変わってきたように思います。
とはいえ、3年前なぜ勝てたかと言えば、真夏の大会では凡事徹底とか気合根性の比率が大きいので、そういう部分があります。
対戦相手のくじや試合の展開の運不運ではあっさり負けるかもしれません。
こんなこと書いていいのか、とか思われそうですが、サッカーにおいて、強者さえカウンターアタックは攻撃の基本の一つですし、その事を織り込んでいい試合をしてほしいものです。
お互い必死ですし、勝敗はどうしようもない部分も少なからずあります。
さて、この3年で、社会情勢やパソコン・スマホを取り巻く事情も変わりました。
アナログな指導もある一方で、動画も無料や廉価でたくさん見られます。
そうやって考えると、本文の主役の子もフルコンタクトの空手の学びの意味も様々な角度から考えることができます。
効率的な学びが教えてくれる事もありながら、非効率な学びが育む能力もあります。
子供たちの学習環境や親御さんたちの経済事情も色々変わりつつある昨今ですが、少なくとも、グラウンドや試合場に立ったその瞬間だけの平等はスポーツや武道の本質の一つです。
スポーツ界のマイナスの面からも目を背けてはいけませんが、学び、繋がり、喜びは確かにありますし、より多くの人への間口をつくる意味でも本連載に期待します。
99,9%のプロになれなかった選手たちにとって、スポーツや武道は必ずしも敗北ではないですからね。
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