ごぼう先生のイス健康体操2.0
医療・健康・介護のコラム
【動画つき】台湾でイス体操、そして最大級の福祉機器展に潜入してみた
介護の「ご」予防の「ぼう」で、ごぼう先生と申します!
大人のための体操のお兄さんとして、健康体操のアジアデビューを果たしてまいりました。
お年玉として、資金面のご支援をいただいた衣料品通販サイト「ZOZOTOWN」の前澤友作社長に深くお礼を申し上げます。
台湾で30年近くお仕事をされている東京優質服務有限公司 富田啓一朗社長のご縁で、台北にある「玉蘭荘」という場所(高齢者施設センター)参照:http://www.gyokulansou.org.tw/about_us_j.htmで、日本語による介護予防教室が行われているサロンに伺わせていただきました。
自らの足で通える70歳から100歳までの方々が参加されていました。
玉蘭荘で行った「ごぼう先生のイス健康体操」は、日本語で楽しくすすめることができました。
台湾は1895年から1945年まで「日本統治時代」だったため、現在90歳の方は、10代後半まで日本語教育を受けて育ったことになります。
こうしたこともあって、ごぼう先生のイス健康体操も、日本で行うときと同じタイミングで笑い声が生まれ、表情が明るく、笑顔あふれる雰囲気でパフォーマンスをさせていただきました。
参加いただいた90歳の白髪の女性は、「生まれた時は台湾語、そして日本語で教育を受けて、大人になったら北京語になった。一番なじみがある言葉は日本語です」とおっしゃっていました。
イス体操の様子はこちら
台湾の介護事情
台湾では2017年に介護保険制度が開始される予定でしたが、変化する政治状況から、制度の確立が延期になりました。
2018年の地点で、65歳以上が人口に占める割合が14%と、高齢化率は、日本よりも低い水準ですが、8年後には20%を超えて「超高齢社会」になると予想されています。
この急速な高齢化は、日本以上だといわれています。
また、2017年の出生率は1.13%と、日本の1.43%よりもかなり低い水準となっています。
少子高齢化が急ピッチで進む中、介護保険制度が整っていない台湾は、高齢者の生活をどのように支えているのでしょうか。
中心となっているのは、「新住民」と呼ばれる外国人労働者で、インドネシアの方々を中心に、約20万人の方が、台湾の家庭に住み込みで働いているということです。
夫婦共働きの家庭が多い中で、幼児や、高齢者などのサポートを「家事手伝い」という形で担っているのです。
その台湾の家族から約10万円が給料として、支払われているそうです。
私が体操を行った玉蘭荘にも、新住民の方々がいました。
手すりのないイスに座ったご高齢者を、安定感のあるイスに誘導したり、食べ終わった食事の容器を素早く片付けたりと、腰が低く、親切な対応に見えました。
日本のように、国家資格(専門職)を目指して台湾に来ているわけではありません。
約3か月間、台湾語の教育を受けてから、3年から5年ほどの期間、移住するという形です。
支えが必要な方への対応を、施設や家庭などの現場で覚えていくそうです。
各地域での台湾語教育や、コミュニティーによる支援も充実しているといいます。
また、日曜日の台北駅は、お馴染みの光景ともいわれていますが、外国人の集会場となり、友人同士が集まり情報交換の場としてにぎわっています。
台湾最大級「福祉機器展」MEDICAL TAIWANに潜入してみた!
福祉機器展の様子は、ぜひ映像でご覧ください。
台湾に滞在している間、台湾最大級の「福祉機器展」を訪れました。
日本で開催されている福祉機器展との違いを2点感じました。
まずは、垣根がないイベント内容だったこと。
そして、展示されていた機器の充実したデザインです。
その展示内容から、「健康を支える」ということと、「その人は実際に何を望んでいるのか」という問いを重ねてみることの大切さを改めて考える機会になりました。
一例ですが、この展示会では、寝具メーカーのブースを数多く見かけました。
日本の介護の展示会でみるより、ずっと多いようです。
最近のテレビや雑誌では、睡眠の質についてよく取り上げられていて、健康を支えるために、睡眠は大切なキーワードです。
日本でも医療と介護に寝具メーカーが関わっているとは思いますが、福祉の展示会などで、もっと前面に出てきてはと感じました。
人口が日本の5分の1という台湾と日本との比較に難しさを感じますが、日本の福祉の現場では、介護認定などにあわせて同じデザインのベッドを用意するように、「支えるべき人の要望や必要性ではなく、制度に合わせたモノづくりやサービス」になっているのではないか、と感じます。
台湾に行ったことで、今の日本を考える機会になりました。
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