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一病息災

闘病記

[歌手 麻倉未稀さん]乳がん(4)音楽を「啓発」の導火線に

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[歌手 麻倉未稀さん]乳がん(4)音楽を「啓発」の導火線に

 手術後の経過は順調で、ホルモン治療やリハビリを続けながら、再び音楽活動を軌道に乗せた。

 後悔も残った。10年以上も検診を受けなかったことだ。テレビ番組の仕事を受けなかったら、がんの発見はさらに遅れていた。

 2017年11月、地元の神奈川県藤沢市の乳がん検診啓発のイベントに参加した。当日、会場に来ていたのは、乳がんの患者や、その家族ばかりだった。

 主治医から「日本の乳がん検診の受診率は欧米よりも低く、藤沢市はそれよりさらに低い」と聞いた。

 一般の女性に検診の重要性を伝えるには……。歌手らしい発想が芽生えた。

 「音楽なら、みんなが聴きに来てくれる。それを啓発の導火線にしよう」

 藤沢には、発信力のあるアーティストが多く住んでいる。人気ロックバンド、プリンセスプリンセスの元メンバー、富田京子さんが考えに賛同してくれた。一緒に地元で乳がん検診を呼び掛ける「ピンクリボン運動」を始めた。18年9月、「藤沢市民まつり」で音楽ライブなどを行った。現在はNPO法人設立に向けて準備を進めている。

 「自分が大切にしている家族や仕事のためにも早期発見の機会を逃さないでほしい。偶然に発見できた私が歌を取り戻せたように」

(文・染谷一、写真・米田育広)

歌手 麻倉未稀さん(59)

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