教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
海外旅行に感染症対策は必要?
事前にワクチン接種を
Q 夏休みに海外旅行をするんだ。
ヨミドック いいですねぇ。感染症対策は考えていますか。
Q 4泊5日。平気だよ。
ヨ 感染症のリスクが高い地域では、短期間の旅行でも予防接種が推奨されています。
Q 何の予防接種をすればいい?
ヨ アジアなどの発展途上国へ行くなら、汚染された食べ物で感染するA型肝炎のワクチンを接種しましょう。欧米では、はしかが流行しています。日本でもはしかと風疹の患者が増えており、混合の「MRワクチン」で一緒に予防できます。破傷風は、土の中の菌が傷口から入って発症します。外でスポーツやトレッキングをする予定の人は考えてください。
Q いつするの?
ヨ これまで接種したことがあるかどうかで、時期、回数が違います。A型肝炎だと、未接種の人は2~4週間空けて2回。半年後にもう1回打つと、効果が持続します。出発の1か月以上前から準備できるといいですね。1回5000~1万円、保険は利きません。
Q なんか面倒くさいな。
ヨ 予防接種対象の感染症には、重症化すると死んでしまう怖い病気もあります。海外で感染し、日本にない病気が持ち込まれるのも困ります。日本渡航医学会のホームページ(http://jstah.umin.jp/)に、医療機関ごとの接種可能なワクチンのリストが掲載されています。厚生労働省検疫所のサイト(https://www.forth.go.jp/index.html)で、海外で流行している感染症がわかります。
Q 現地での対策は?
ヨ 火の通っていない食べ物はダメですよ。水はペットボトル入りを。マラリアや狂犬病などは、蚊や動物から感染します。虫よけスプレーを持参し、肌を露出する格好は避けて、動物にはむやみに近づかないことです。
Q 帰国後、体調を崩したら?
ヨ 感染症なら、多くは発熱、下痢、発疹、のどの痛みといった症状が出ます。まず医療機関へ電話し、海外に行ったことや症状を伝えてから受診しましょう。
(安藤奈々/取材協力=忽那賢志・国立国際医療研究センター国際感染症センター医長、大越裕文・西新橋クリニック理事長)
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
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