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ハンセン病家族訴訟、首相「心からおわび」…国の賠償義務確定

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ハンセン病家族訴訟、首相「心からおわび」…国の賠償義務確定

首相談話と政府声明を発表する菅官房長官(12日午前、首相官邸で)=鈴木毅彦撮影

 政府は12日午前の持ち回り閣議で、国が敗訴したハンセン病元患者の家族訴訟の熊本地裁判決について、控訴を断念し、家族におわびの意思を表明する安倍首相の談話を決定した。判決の法律上の問題点を指摘する政府声明も併せて決めた。政府は、原告以外の家族も含めた補償内容を早急に検討する。

 首相談話と政府声明は、菅官房長官が同日午前、記者会見して発表した。12日が控訴期限のため、国の賠償義務が確定する。

 談話は、患者・元患者の家族への社会の厳しい偏見、差別があったとし、「家族の方々が強いられてきた苦痛と苦難に対し、政府として改めて深く反省し、心からお び申し上げます」と陳謝。首相が家族と直接面会して陳謝する考えも示した。ただ、判決には問題点があるとし、控訴断念は、家族の苦労を踏まえた「極めて異例の判断」だと強調した。判決に基づく賠償は速やかに履行するとし、「訴訟への参加・不参加を問わず、家族を対象とした新たな補償の措置を講ずる」とも明記した。

 菅氏は記者会見で、首相と家族の面会時期について、「具体的な日程は今後調整していきたい」と述べた。

 政府声明は、判決の法律的な問題点を3点指摘した。

 厚相(現・厚生労働相)と法相、文相(同・文部科学相)の偏見や差別を除去する義務に関し、「らい予防法」が廃止された1996年に義務違反が終了したとの別の地裁判決を挙げ、96年以降の義務違反を認定した今回の判決は受け入れられないなどとした。判決が人権啓発や教育を行う義務違反を認定した点も、「法的義務を負うものではない」と否定した。

 また、判決が、同法を廃止しなかった国会議員の立法不作為を違法だとした点についても、「違憲審査権を超えて国会議員の活動を過度に制約する」とし、認められないとした。

 損害賠償請求権が消滅する民法の消滅時効(3年)に関しては、判決は、別の元患者家族が起こした鳥取地裁での訴訟判決があった2015年9月以降が時効の起算点だとの判断を示した。声明は、こうした解釈は判例に反すると批判した。

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