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僕、認知症です~丹野智文45歳のノート

コラム

「認知症でも」働ける? いいえ、「認知症だから」働ける!

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「認知症でも」働ける? いいえ、「認知症だから」働ける!

クリニックの一室で、患者さんを待つピアサポートのメンバー。私(向かって左)を含め、全員認知症の当事者です

社長が「100%やってみたら」

 自動車販売会社「ネッツトヨタ仙台」のセールスマンだった私は、2013年に認知症と診断されてからは、本社で事務の仕事に就いていました。認知症の当事者として各地から講演を頼まれるようになり、これまでは主に会社の休みを使って行っていたのですが、講演依頼は増える一方です。だんだんと仕事との両立に限界を感じるようになりました。

 それを社長に話すと、「だったら100%やってみたらどうだ」と、ひきつづき会社に籍を置きながら、認知症に関わる活動に専念することを認めてくれたのです。

 社長は、「フィギュアスケートの宇野昌磨選手のように考えればいいんだよ」と言ってくれました。確かに、宇野選手がトヨタに所属しながら競技に打ち込んでいるのと似た状況かもしれませんが、世界的なアスリートの名前が出てきたのには恐縮してしまいました。それも、私が心おきなく活動に取り組めるようにという社長の励ましと思うと、ただただ「感謝」でした。

講演が「本業」に

 そんなわけで、講演のために日本列島を北へ南へと移動する生活になりました。1週間くらい仙台の自宅に帰らないことも、珍しくありません。

 私の一番の目的は、認知症になって不安を抱えている人に、元気になってもらうことです。自分が認知症と診断されて絶望していた時に、人に優しく力強く生きる認知症の当事者に出会い、不安を吹き飛ばすことができました。だから今度は私が、他の当事者が笑顔を取り戻す手伝いをしたいのです。講演が増えれば、それだけたくさんの認知症の人に出会うことができるので、会社の支援が本当にありがたいです。

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丹野智文(たんの・ともふみ)

 おれんじドア実行委員会代表

 1974年、宮城県生まれ。東北学院大学(仙台市)を卒業後、県内のトヨタ系列の自動車販売会社に就職。トップセールスマンとして活躍していた2013年、39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断を受ける。同年、「認知症の人と家族の会宮城県支部」の「若年認知症のつどい『翼』」に参加。14年には、全国の認知症の仲間とともに、国内初の当事者団体「日本認知症ワーキンググループ」(現・一般社団法人「日本認知症本人ワーキンググループ」)を設立した。15年から、認知症の人が、不安を持つ当事者の相談を受ける「おれんじドア」を仙台市内で毎月、開いている。著書に、「丹野智文 笑顔で生きる -認知症とともに-」(文芸春秋)。

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