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がん患者団体のリレー活動報告

コラム

公益財団法人 がんの子どもを守る会

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 小児がんは、乳幼児期に発症することが多い白血病や脳腫瘍など、数百種類にものぼる小児悪性腫瘍の総称です。全体の患者数は年間約2000~2500人。そのほとんどが原因不明の希少疾病です。また、小児がんは治療期間が長く、子ども医療費助成制度や小児慢性特定疾病医療費助成事業などの公費による医療費助成があるものの、医療費や療養費の負担は大きくなります。治療中には、家族の二重生活、治療中の学校や幼稚園との連携の必要性、きょうだいへのケアなどにより、患児・家族には、精神的・経済的にも大きな負担がかかってきます。

公益財団法人 がんの子どもを守る会

小児がんを患う子どもたちのきょうだいが富士登山に挑戦するイベント「富士山にアタック!!」(2017年度)

治療後の復学や就労などが課題に

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「がんの子どもを守る会」の2017年度年次大会

 小児がんは、病気の種類によりますが、約7~8割の子どもたちが治療を終えることができると言われています。しかし、治癒率の向上に伴い、治療後の復学や就労、結婚や出産などの課題が浮上してきました。また、治療による後遺症や晩期合併症、根治のできない腫瘍の治療の長期化により、がんそのものの治療を終えた後の経済的・心理社会的負担の増加も新たな課題となっています。一方で小児がんは子どもの病死数順位の第1位であり、年間約500人の幼い命が失われています。

 当会は現在、東京の本部及び大阪事務所と全国21か所の支部を中心に、ボランティアや医療関係者らにご協力いただきながら、下記の活動を行っています。

  1.小児がんに関する知識の普及・啓発活動
 シンポジウムの開催、募金活動、啓発活動などを行っています。

  2.小児がんに関する調査・研究事業
 患児家族の実態についての調査、小児がんの研究に対する助成を行っています。

  3.小児がんに関する相談事業
 患児家族に対して、治療中はもちろん闘病中、闘病後や子どもを亡くされた後など、小児がんに関するあらゆる相談を受け付けています。

  4.小児がんに関する支援事業
 患児が等しく医療が受けられること、また療養に伴う経済的負担の軽減を目的とした患児家族への助成、また当事者団体への支援などを行っています。

  5.小児がん・小児難病に関わる関係者への宿泊施設運営及び会議室の提供など
 治療中の付き添い家族への宿泊の場の提供のほか、相談支援、小児がん・小児難病の関係者の情報交換、交流の場の提供などを目的とする総合支援センターを運営しています。

  6.小児がん経験者及びがん遺児への奨学金の給付事業
 小児がん経験者奨学生(18歳未満で小児がんを発症し、経済的援助を必要とする高校生)らが自立することを目的とした奨学金を給付しています。

情報を収集・交換・発信する総合支援施設に

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国際小児がんの会は毎年2月15日を「国際小児がんデー」と定めている。「がんの子どもを守る会」が参加した啓発活動の様子

 当会は、2018年10月に創立50年を迎えました。創立50年を迎えるに当たり、17~19年度の3か年、これからの50年を意識して、新しい取り組みを進めています。その一例として、17年度にペアレンツハウス亀戸及び浅草橋の運営を外部委託から直営としました。その理由は、小児がん及び難病等の患児・家族の宿泊施設としての機能を超えた小児がん・小児難病に関する情報収集・交換・発信の場としての総合支援施設として強化することを目標としたからで、その実現に向けて、一歩一歩前進しています。

 また、18年6月には創立50年記念式典を開催し、その記念誌を発行しました。同年11月に京都で開催された「SIOP」(国際小児がん学会)の世界大会と、小児がんの親・支援者の国際団体「CCI」(国際小児がんの会)の世界大会では、ホスト国団体として重要な役割を果たし、二つの世界大会は成功裏に終えることができました。

「小児がんを治る病気にしたい」

 昨今の国や地方公共団体の小児がんに対する前向きな姿勢により、小児がんを取り巻く環境は確実に良い方向に変化しています。当会のミッションのうち「小児がんを治る病気にしたい」は、その実現が視野に入ってきたようにも思われます。

 しかしながら、現実的には小児がんの発症を抑える医療の実現はいまだに遠く、「治る」ための苦しい治療や心理的・経済的な大きな負担はなくなっていません。当会は、もう一つの「小児がんで苦しむ家族のいない世の中にしたい」という願いの実現のために、今後とも日々、地道ながらも着実な支援活動を続けていきます。

公益財団法人 がんの子どもを守る会

 1968年10月、小児がんで子どもを亡くした親たちにより、「小児がんを治る病気にしたい」「小児がんで苦しむ家族のいない世の中にしたい」という願いのもと、設立された。2012年には、公益財団法人への移行が認められた。子どもの難病である小児がんに関する知識の普及、相談、調査・研究、支援、宿泊施設の運営、その他の事業を行い、社会福祉及び国民保健の向上に寄与することを目的としている。
 小児がんは、医学の進歩に伴い「不治の病」から「治すことができる病気」になりつつある。しかし、いまだに子どもの病死順位の1位であり、たとえ治療を終えても小児がんの患児とその家族はさまざまな問題を抱えているのが実情。患児・家族が直面している困難や悩みを少しでも軽減すべく、多くの方々の支援のもと活動している。
 ホームページ  http://www.ccaj-found.or.jp/

 このコーナーでは、公益財団法人 正力厚生会が助成してきたがん患者団体の活動を、リレー形式でお伝えします。

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公益財団法人 正力厚生会

 正力厚生会は1943年(昭和18)に設立され、2009年に公益財団法人となりました。「がん医療フォーラム」の開催など、2006年度からは「がん患者とその家族への支援」に重点を置いた事業を続けています。
 現在は、医療機関への助成と、いずれも公募によるがん患者団体への助成(最大50万円)、読売日本交響楽団弦楽四重奏の病院コンサート(ハートフルコンサート)を、事業の3本柱としています。
 これからも、より質の高いがん患者支援事業を目指していきます。
 〒100-8055 東京都千代田区大手町1-7-1 読売新聞ビル29階
 (電話)03・3216・7122   (ファクス)03・3216・8676
  https://shourikikouseikai.or.jp/

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