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がんを語る

医療・健康・介護のコラム

肺がん(上)「人間ドック受けていたのに」「レントゲンに写らなかった」……いきなり「ステージ4」、検診の限界

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 「がんを語る」第4回のテーマは肺がん。最新のデータでは、国内での年間の新たな患者は11万人以上、死亡者は約7万4000人です。がんの部位別患者数では、大腸がん、胃がんに続いて3番目ですが、死亡者数は第1位。これは、約半数の患者が、手術できない段階にまで進行してから診断されるためです。ただ、近年、薬物療法の進歩は目覚ましく、進行がんでも長期生存が可能になってきています。そんな現状を3人の方に語ってもらいました。

肺がん  早期はほとんど無症状で、進行すると、 (せき)(たん) 、血痰、発熱、呼吸困難、胸痛などの症状が出る。右肺は三つ、左肺は二つの肺葉に分かれており、手術では、がんのある肺葉ごと切除することが多い。がんの広がり次第で、片側の肺全部をとる全摘や、肺葉の一部だけを切除する縮小手術も行われている。手術が難しい場合は、放射線治療や薬物療法が治療の柱になる。集団検診での肺がん検査は、胸部エックス線(レントゲン)検査が広く普及している。

参加者(敬称略)

余命「1年くらい」と言われ、今10年目

――自己紹介をお願いします。

長谷川 (写真) 横浜に住んでいます。がんが見つかったのは2010年、もう9年前になります。当時39歳で、子供は小2と年長組。青天の 霹靂(へきれき) でした。

 診断された時点でステージ4(注1)でした。余命も「1年ぐらい」と言われていましたが、薬がすごく効いて、何とか今、10年目にまで来ているという感じです。治療を始めた頃は、「5年生存率が数%」と古い数字を聞いていたので、ここまで来られるとは思ってもいませんでした。

田中  肺がんがわかったのは15年6月。今年6月で丸4年です。3人家族で、一人娘が今年23歳。当時は、神戸の短大に送り出して、「ああ、やれやれ」っていうときでした。

 1週間ほどおなかが痛く、吐き気もありました。その10年ほど前に胃がんで胃を半分切っていますが、胆のうは残していたので「胆のう炎かな」と思い、胃がんの手術をした病院に問い合わせました。「2日後に来てくれ」と言われましたが、心配で2日も待てず、すぐに個人病院に行って腹部エコーを撮ってもらいました。「肝臓付近にちょっと気になる影がある」ということで、すぐ総合病院に紹介されてCT(コンピュータ断層撮影法)を受けました。腹部造影でしたが、肺も気になって撮ってもらい、肺がんが見つかりました。

――肝臓付近の影は何だったのですか。

田中  肺から副腎への遠隔転移でした。だから、ステージ4ですね。手術も放射線治療もできなくて、すぐ化学療法に入りました。

抗がん剤がつらく、休薬して今後の治療を検討中

――効果はどうでしたか。

田中  最初の抗がん剤は結構効いて、副腎のがんは、CT上では見えなくなりました。肺の方も半分くらいになりましたが、その後、右肺の下葉に新しくできたり、原発のがんが大きくなったりしました。オプジーボなど、いろいろな薬を試していますが、今年1月の検査でもあまり効いていないということで、また薬を変えることになりましたが、抗がん剤治療がつらいのと、体調がすごく良かったこともあり、今はちょっと休薬して今後の治療を考えているところです。

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がんを語る3-thum

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男性の3人に2人、女性の2人に1人が、がんになる時代です。このコーナーでは、がん種別に患者や経験者を招き、病との向き合い方を話し合います。
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2件 のコメント

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息苦しくてレントゲンを撮ったら肺腺がん

遺伝子治療2023年

息苦しくて、近所の内科でレントゲンを撮ったらすぐに大きな病院に回され、検査結果を待つこと約1か月。肺腺がんのステージ4で、リンパ節、肝臓、骨、脳...

息苦しくて、近所の内科でレントゲンを撮ったらすぐに大きな病院に回され、検査結果を待つこと約1か月。肺腺がんのステージ4で、リンパ節、肝臓、骨、脳に転移していた。入院して遺伝子治療の投薬に入った。嘔吐(おうと)に1週間ぐらい悩まされたが、3週間後には退院。がんの影が薄くなったのも確認できた。私自身、遺伝子治療を知りませんでしたが、投薬だけなので自宅療養が可能ですし、精神的負担が少ないです。

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新型コロナかと思いきや肺がんだった

マツケンサンバ(78歳)

2021年3月某日、37度8分の熱。新型コロナに感染したのかと思い、かかりつけ医に相談。総合病院で検査を受けるよう指示され、検査の結果、コロナで...

2021年3月某日、37度8分の熱。新型コロナに感染したのかと思い、かかりつけ医に相談。総合病院で検査を受けるよう指示され、検査の結果、コロナではないとの診断。レントゲン撮影をし、後日改めて受けたCT検査の結果、肺がんが見つかりました。その後、いろいろな検査、検査で結果報告を受けた時(3月末)は、扁平上皮がんで右肺全摘手術が必要だが、高齢のため手術はできないステージ4とのこと、余命4か月と宣告されました。あまりのショックで、後日、がんセンターでセカンドオピニオンを受け、現在は免疫治療薬(テセントリク)で治療中。余命4か月はクリアしましたが、後はどうなることやら。薬の効果を期待しております。

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