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大人の健康を考える「大人び」

医療・健康・介護のコラム

不眠症(2)持病なければ遅寝早起き

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このシリーズでは、日本睡眠学会認定医で、上島医院(大阪府大阪狭山市)院長の渥美正彦さんに聞きます。(聞き手・古川恭一)

不眠症(2)持病なければ遅寝早起き

 中高年になると、睡眠が浅く短くなるとともにリズムも変わり、入眠、起床の時刻が早くなる傾向があります。極端な場合は「睡眠相前進症候群」と呼ばれますが、体質の変化なので、治療で戻すことはなかなか大変です。

 「夜中に目が覚めて眠れない」と来院される高齢者もいますが、睡眠がある程度とれ、社会生活に支障がなければ問題ありません。布団で朝まで眠れぬ夜を過ごすさみしさを、不眠と感じる方が多いようです。早起きして友人と散歩を楽しむなど、とにかく床を離れて、何か趣味を持ってみるよう勧めています。

 睡眠時間は約8時間が理想だと言われますが、これもケース・バイ・ケースでしょう。不眠症の人に「8時間寝てください」と言っても焦らせてしまうだけ。「5時間でも大丈夫」と考えてもらった方が有益です。逆に、眠いのを我慢して短時間睡眠でも大丈夫と考えている人には「もっと寝て」とアドバイスしています。

 他の持病がない不眠症の方には、「遅寝早起き」がお勧めです。夜は眠くなるまで布団に入らず、朝、これ以上眠れなければ素早く起きる。布団を眠れない場所にしないことが大切です。実際、この方法で寝付きが良くなり、睡眠の質が高まる人が多いのです。

 「眠れない」「昼間に眠い」と訴える人は、別の病気が不眠の原因になっていることが多く、放置しておくと深刻な事態を招く恐れもあります。次回からは不眠につながる病気を紹介します。

【略歴】
渥美 正彦(あつみ まさひこ)
大阪市立大学医学部卒業。大阪警察病院、国立病院機構やまと精神医療センター、近畿大学医学部付属病院神経内科などを経て、2004年6月から上島医院。05年に同医院併設南大阪睡眠医療センター長。10年から同医院院長。

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