作家 室井佑月さん
一病息災
[作家 室井佑月さん]糖尿病(4)医師・看護師と二人三脚
糖尿病と診断されてから、禁煙を何度か試みた。喫煙は、糖尿病を悪化させたり、合併症のリスクが高まったりするからだ。専門の禁煙外来には2か所行ったし、数万円する催眠療法を受けたこともある。
たばこをやめたいという気持ちはある。でも、締め切りが迫った原稿を前にすると、どうしても、たばこに手が伸びる。
「私、自分にすごく甘いんです。『原稿の穴をあけずに頑張ってるもん、1本ぐらい、しょうがない』ってなっちゃう」
ただ、毎日のインスリン注射や飲み薬は欠かさず、3か月に1度の血液検査もまじめに通う。頭ごなしに「(たばこや酒は)ダメ!」とは言わず、「じゃあ、どうしようか」と一緒に考えてくれる医師に出会えたことが大きい。
血液検査の結果がいいと、看護師も一緒に喜んでくれる。「深酒減らしたの? すごいじゃない」「やればできると思っていたよ」――。逆に、結果が悪くても、「頑張れ、頑張れ」と励ましてくれる。「49歳にもなって、こんなに褒めてもらえるの、病院だけですよ」と笑う。
「身体のことはプロの医師に任せると決めています。糖尿病くらいあった方が、私にとっては健康なのかもしれませんね」
(文・影本菜穂子、写真・園田寛志郎)
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作家