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鶴若麻理「看護師のノートから~倫理の扉をひらく」

医療・健康・介護のコラム

なぜ胃ろう患者の「朝食」は午前4時なのか…効率求める病棟の「暗黙のルール」を考える

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患者より効率を優先する「暗黙のルール」

 冒頭の場面では、「 いつものように 、午前4時から」とあります。つまり、書いた看護師だけでなく、他のスタッフもこのような対応をしていることがわかります。これが病棟の看護師にとっての日常なのです。話し合いのなかで、「胃ろうの必要な患者の朝食は夜勤帯で終わらせる、という暗黙のルールがある」という言葉が出ました。こうした現状に、「医療者の都合で時間が決められている」「患者の生活リズムを無視している」などの声も上がりました。

 そもそも、なぜ午前4時からモーニングケアを始めないといけないのでしょうか、誰のためでしょうか、患者の立場に立ったらどうでしょうか……。こういうことを改めて問い、考えることが、患者といかにかかわっていくか、つまり倫理を考えることにつながります。

 患者の生活リズムを乱すことになるこうした病棟のルールは、結局のところ、医療者の業務効率を重視して作られたものです。この一人の看護師が気づいた、「なぜ午前4時なのか」という疑問は、病棟スタッフ全体で向き合っていくことが求められる問題であるとわかりました。いま一度、スタッフで、この暗黙のルールが必要な理由や、患者への影響を話し合うことで課題がはっきり見えてくるでしょう。

看護師の日常が患者の非日常に

 こういったナラティヴライティングと、それをもとにした話し合いの取り組みは、看護師自身の思考のパターン、物の見方が浮き彫りになりやすいことがわかりました。また、看護師たちが「違和感がある」「これでよいのか」と感じる場面には、病棟内の暗黙のルールなど管理的な側面が関係していることも見えてきました。

 看護師が描く場面から、看護師の職場としての病院=日常が、患者にとっては異空間=非日常であることが鮮明になってきます。普通の朝食のように、トーストと目玉焼きが目の前にあったとしたら、こういう扱いは生じ得ないでしょう。看護師の日常が、患者からどのように見えているのか、と想像力を働かせることは、倫理的な看護実践への大きな力になります。(鶴若麻理 聖路加国際大准教授)

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tsuruwaka-mari

鶴若麻理(つるわか・まり)

 聖路加国際大准教授(生命倫理分野)、同大公衆衛生大学院兼任准教授。
 早稲田大人間科学部卒業、同大学院博士課程修了後、同大人間総合研究センター助手、聖路加国際大助教を経て、現職。生命倫理の分野から本人の意向を尊重した保健、医療の選択や決定を実現するための支援や仕組みについて、臨床の人々と協働しながら研究・教育に携わっている。2020年度、聖路加国際大学大学院生命倫理学・看護倫理学コース(修士・博士課程)を開講。編著書に「看護師の倫理調整力 専門看護師の実践に学ぶ」(日本看護協会出版会)、「臨床のジレンマ30事例を解決に導く 看護管理と倫理の考えかた」(学研メディカル秀潤社)、「ナラティヴでみる看護倫理」(南江堂)がある。

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10件 のコメント

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それは

るー

安全に時間内に全ての任務を終える為ですよね。逆算したらそうなる。 限られた時間で限られたスタッフ数で、 しかも大勢をみている。 食事は危険も伴い...

安全に時間内に全ての任務を終える為ですよね。逆算したらそうなる。

限られた時間で限られたスタッフ数で、
しかも大勢をみている。
食事は危険も伴いますから、
出来る限りの時間をかけ十分な注意が必要。

さらに転倒リスクを考えた見守り対応、
その他のケアやすべての業務から逆算したら、朝いちばんでまず、胃ろう注入を終わらせることになる。

その後の怒濤の慌ただしさを思えば、やれることを先にやり、身体をフリーにしておく。
動く人の見守りしながら業務しながら、後から胃ろう準備して注入をやる……なんて無理。

経口の方の食事を4時からにして胃ろうを7時からにするか、ということ。
現実のスタッフ数と夜勤業務量なら仕方がない。

誰も4時から胃ろうを良いとは思ってやってません。

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感覚の麻痺は恐ろしい

緑茶

そうは言っても仕方ない、実際の現場を知らないから言えるんだ、という批判コメントが恐ろしい。 執筆者は、医療関係者が現場に慣れすぎて、合理的な感覚...

そうは言っても仕方ない、実際の現場を知らないから言えるんだ、という批判コメントが恐ろしい。

執筆者は、医療関係者が現場に慣れすぎて、合理的な感覚でしか、人のケアを考えられなくなることが問題だといっているのに。

患者の倫理を考えるというのは、ごく一般的な感覚。これに共感できないとすれば、自分の感覚が麻痺していることすら、気付けないのかもしれない。

「現場は大変」だから、ケアされる人間は、機械的に、家畜のように扱われても仕方ない、ということか?
まるで、人間性の一部が欠如してしまったようだ。

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入浴

ピーチ姫

私が働く病院も 病室から裸にして風呂場へ搬送していたんですが プライバシーに配慮がないと 数年前に 風呂場で脱がすことになったのに 最近また 昔...

私が働く病院も
病室から裸にして風呂場へ搬送していたんですが
プライバシーに配慮がないと
数年前に
風呂場で脱がすことになったのに
最近また
昔のやり方へ。
部屋で裸にして階の違う風呂場へエレベーターを使って移動してます。
プライバシーの配慮のない
時代の逆戻りをしています。
そんな病院で働いてる自分が嫌になります。
また胃瘻することが
ダメみたいな風潮により
鼻から管を入れる患者が増えました。
看護師が交換するのですが
誤挿入などのリスクもあり看護負担が
多くなってます。
患者の苦痛、見た目、なども含め
そういったことも
問題として頂くと
見直すきっかけになるのでは
と思い
投稿しました。

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