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[女優 羽田美智子さん](上)「私、6代目・羽田甚蔵です」 実家の店をネットショップで復活

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高祖父は地元で有名な宮大工

――商店の名前は、有名な宮大工だった高祖父・羽田甚蔵さんに由来するそうですね。

[女優 羽田美智子さん](上)「私、6代目・羽田甚蔵です」 実家の店をネットショップで復活

 両親が羽田甚商店という店を経営していて、私は「羽田甚のみっちゃん」で呼ばれていました。子どものころ、「甚」が宇宙人の「人」みたいに聞こえて、「お父さん、はだじんって何なの?」って聞いたら、父が「そういう屋号で、俺が5代目なんだ」って言うんです。襲名制で、「俺は羽田清だけど、5代目羽田甚蔵でもある」と。

 「じゃ、誰が6代目?」って聞いたら、兄たちは「絶対いや」と言うので、「父の代で終わりだな」と思っていました。まさか、自分が「6代目」を名乗るなんて、思いもしなかったです(笑)。

悩める高校生たちに頼られた母

――羽田甚商店はどんなお店だったんですか。

 今で言えばコンビニです。たばこ、駄菓子、雑貨と、何でも売っていました。父や兄が通った高校が近くにあり、高校生のたまり場でした。部活の後、お菓子やカップラーメンなどの軽食を食べながら、50人ぐらいがたむろしていました。私もお店を手伝っていて、小さいころは高校生のひざに乗って、かわいがってもらっていました。実家に帰ると、今は市の幹部になっている結構なおじさん(笑)から、「覚えてるか? みっちゃんを抱っこしていたんだぞ」なんて言われることもあります。

 父は人付き合いが苦手でしたが、その分、母は社交的で、高校生から、自分の親にも言えないような悩み事を相談されていました。「おばさん、おばさん」って、駆け込み寺みたいでしたね。

――楽しい子ども時代だったようですね。

 曽祖父母もいて、家族が9人。お客さんも本当に多かったので、いつもにぎやかでしたね。母はそんなところに嫁に来たので、座った姿を見たことがなかったです。店は朝7時から夜11時までの営業で、母は、朝起きると窓を開けて掃除、洗濯をして、家族全員の食事を作りました。お客さんが来始めると、「は~い」と言って立つのも母。そんなときでも、子どもたちは「お母さん、おかわり」。

 私は「いつかお母さんを楽させてあげたい」と思っていました。父には「そのくらい自分でやんなよ。甘え過ぎ」って、つらく当たったこともありました。

 今はリタイアして、夫婦で仲良くのんびり過ごしています。父も面倒見がよくなり、母は、「家族のために費やした時間と愛情が、全部返ってくるんじゃないかというぐらい幸せ」って言っています。

――屋号復活を両親はどう思っていますか?

 すごく喜んでいます。両親は「屋号なんて古いしきたりだから、どうでもいい」って言っていたんです。「子どもたちは、それぞれの世界で活躍しているから、それで十分だ」って。でも4年前、NHKの番組「ファミリーヒストリー」に出演したとき、両親が、屋号が消えることを先祖に謝っているのを見て、「え~。そうだったの!」って驚きました。

 今回、「復活していい?」って聞いたら、「何やるんだ? お店なんてやる時代じゃない」「女優業と両方じゃ、忙しすぎて大変だぞ」って心配されました。「ネットでやるから、お店は持たないの」と言っても、よくわからなかったみたいです。

 もちろん遊びではないけれど、これだけで私たちが食べていくわけじゃなく、あくまで副業。人生経験として、すごく楽しいことをやっている気がします。

羽田美智子さん

はだ・みちこ
 1968年、茨城県生まれ。88年、デビュー。テレビドラマ、映画、舞台、CM、ナビゲーターなどで活躍。94年、映画「RAMPO」のヒロイン役で日本アカデミー賞新人俳優賞など受賞。刑事ドラマシリーズ「おかしな刑事」「特捜9」(どちらもテレビ朝日系)に出演。2019年4月、セレクトオンラインショップ「羽田甚商店」を正式オープン。出演する舞台「不機嫌な女神たち プラス1」が10月19日(土)より東京、愛知、大阪、福岡の4都市にて上演。また映画「駅までの道をおしえて」が10月18日(金)より公開。

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