山崎まゆみの「心もとろける癒やしの温泉」
医療・健康・介護のコラム
手術後の体も心もリフレッシュ! 私が過ごした夏の湯治(山梨・下部温泉)
湯治仲間との温かいふれあいも
湯治生活の朝は早いのです。
お湯が張られたばかりの一番風呂に入るには、岩風呂がオープンになる6時に行かなければならないからです。
もう常連の湯治客が入り口で待っています。皆さん、扉が開けられると同時に、神棚に手をあわせてから、一番風呂に入っていきました。
7時半には朝ごはんがきます。一般的な旅館料理に2品少ないくらいのボリューム。ちなみに、昼ごはんは350円でカレーを食べさせてくれます。
シーツ交換は3日に1度。ごみは自分で出す。これで1泊1万円です。
湯治も3日目くらいになると、お風呂で一緒になる方々と馴染んできます。
「あなた、若いけど、どこか 怪我 しているの?」
「はい、手術したばかりで、お腹に大きな傷痕があります」
「そのくらの傷は、たいしたことないよ。1日1時間を5~6回入って、1週間もすれば良くなるよ。綺麗になるから、大丈夫」
人生の大先輩である湯治の達人たちからの教えは、どれほど私を安心させてくれたことでしょう。術後の身体が温泉によって治癒することへの興味もありましたが、実は、それ以上に「この傷、本当に治るのかな。お風呂に入るのが仕事なのに、お腹にこんな大きな傷が残ると……」と、不安を抱いていたのです。
もし自宅で療養していたら、きっと心細かったでしょう。
湯治場には傷を治す仲間がいます。ちなみに、70代、80代の方が多く、私は最年少でした。「マドンナさん」と呼ばれていました(笑)。
お風呂に入り、休み、湯治客とお喋り……。そんな時間を過ごしました。

源泉館にやってきた時は、傷跡が黒ずみ、グロテスクに見えました。6日間の湯治生活を終える頃には、傷痕は肌色に近くなっていました。
何よりうれしかったのは、体力が戻っていたこと。入院・手術の直後だったためか、東京から電車を乗り継いでたどり着いた時には、疲れがどっと出ていました。東京に戻る時には、もうその疲れはすっかり抜けきっていました。
翌週、私は九州への取材に出かけることができましたよ!

下部温泉 古湯坊源泉舘
【 所在地 】 〒409―2942 山梨県南巨摩郡身延町下部45
【 電 話 】 0556-36-0101
【 泉 質 】 弱アルカリ性単純温泉
【 効 能 】 運動機能障害、関節痛、医療処置後の骨折、縫傷、火傷、疲労回復など
【アクセス】 JR下部温泉駅から送迎(到着後に電話連絡)
【ホームページ】http://www.gensen1126.jp/
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