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一病息災

闘病記

[作家 室井佑月さん]糖尿病(2)多く食べても痩せてゆく

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[作家 室井佑月さん]糖尿病(2)多く食べても痩せてゆく

 2005年に 膵臓すいぞう を3分の2摘出した手術の傷は、数か月もすると、目立たなくなった。同時に、手術のことはすっかり忘れていた。

 「いいなぁ。こんなに食べているのに、なんで太らないの?」。11年のある日、旅行先で友人から言われた。豪華な食事、デザートも完食、そしてお楽しみの深夜のラーメン。これだけ食べると2~3キロ・グラムは太ると愚痴をこぼす友人とは反対に、自分はやせてきたことに気付いた。

 普段、息子と一緒にステーキハウスに行けば、2人で1キロ・グラムを平らげることもあった。自宅に体重計がなく、変化を見逃した。でも、朝起きると、立ちくらみがするのは気になっていた。

 かかりつけ医を受診すると、血液検査の結果に驚かれた。「なんでこんなに血糖値が高いの?」

 すぐに、糖尿病の専門医を紹介され、薬を飲むことになった。しかし、血糖値が十分に下がらず、インスリン注射も始めた。

 それから、毎朝、自分で行う注射と規則正しい朝食が、新たな日課になった。まず、指先を消毒して針を刺す。血液を1滴絞り出し、血糖値を測る。その後、目盛りを合わせて、おなかにインスリンを注射する。

 面倒くさい。ただ、針を刺しても不思議と痛みはなかった。「針先が鋭く斜めにカットされていて。町工場の技術ってすごいと思いました」

  作家  室井佑月(むろいゆづき) さん(49)

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