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yomiDr.編集室より

医療・健康・介護のコラム

「里親になりました」 子宮頸がんを経験したエッセイスト・紫しえさん

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 俳優・宍戸錠さんの長女で、19年前、妊娠中に子宮 (けい) がん見つかり、子宮も赤ちゃんも失ったエッセイストの紫しえさん(55)。このほど、親元で暮らせない子ども(18歳未満)を養育する里親になり、幼い里子と暮らし始めました。2か月余りたち、親の自覚も生まれてきたという紫さんは、「私のような病気になっても、子どもを育てたいと強く願うなら、こういう選択もあることを知ってほしい」と話しています。

がんは子宮と子どもを一度に奪った

「里親になりました」 子宮頸がんを経験したエッセイスト・紫しえさん

「里子と手をつなぐ紫さん(東京都世田谷区内の公園で)」

 自宅の近くの公園に、夫と愛犬のチワワ4匹とともに、里子を連れてきた紫さん。芝生の上を気ままに歩き回る里子を追いかけながら、笑顔をみせます。「がんは、私から子宮や子も奪ったけど、この子を育てるというセカンドチャンス、新しい人生をくれました」

 紫さんは1999年、現在の夫との間に赤ちゃんができたことがわかった数日後、子宮頸がんを告知されました。

 がんは進行しており、赤ちゃんごと子宮を全摘するしかなく、「母親になるんだ」という幸福感から一転、絶望のどん底に突き落とされました。手術後に飼い始めた愛犬たちを、我が子の生まれ変わりのように思い込み、赤ちゃん用のいすに座らせてテーブルで一緒に食事をしていた時期もあったそうです。「赤ちゃんがいないのに胸が張って、体は母親の準備万端でした。少し頭がおかしくなっていた」と当時を振り返ります。

「人を育てないまま死ぬのかな」

 その後、体調の回復とともに、宍戸錠事務所のマネジャーの仕事などを再開しながら、保護犬活動にも取り組んできました。いつの間にか4匹にまで増えた愛犬の親としての自信がつくと、「自分にも母としての本能がある。人と犬を同じに考えちゃいけないかもしれないけれど、私は人を育てないまま死ぬのかな」という思いが募り、3年前、里親になる決心をしました。

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ヨミドクターの編集担当者が、小耳にはさんだ健康や医療の情報をご紹介。お勧めのコラムに込めた思いなどもつづります。

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