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ネット寄付 医療の支えに…膵がん治験は2日で1000万円、救急病院の人件費2000万円を調達

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ネット寄付 医療の支えに…膵がん治験は2日で1000万円、救急病院の人件費2000万円を調達

治験実施に向けたクラウドファンディングについて説明する里井さん(左)(10日、大阪府枚方市の関西医科大で)

 腹膜に転移した すい がんの新しい治療法の確立を目指す臨床試験(治験)の費用を得るため、関西医科大(大阪府枚方市)が10日、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を始めたところ、翌日に目標の1000万円を超え、12日には1500万円を突破した。CFとしては異例の速さで、医療への強い期待が多くの善意につながったとみられる。

 関西医科大のCFは、治療が特に難しい進行性の膵がん患者に、既存の抗がん剤2種類を投与する治験の資金集めが目的。製薬企業などから資金を得られず、CFに踏み切った。

 10日午前10時の受け付け開始後、2人が各100万円を寄せたほか、3000円や1万円の寄付が相次ぎ、翌11日夜には目標の1000万円を達成。CF仲介サイトの運営会社「レディーフォー」によると、同社が手がけた目標額1000万円以上のCF約70件の中では最速という。

 患者や家族からの寄付が多く、妻が膵がんで闘病中の兵庫県の男性は「治療がなかなか進まない。患者が希望を持てるよう頑張ってください」、福岡県の女性患者は「同じ病気の仲間の未来が明るいものになるよう、ぜひ研究を続けてほしい」とサイトに書き込んだ。

 同大学は目標を2500万円に引き上げた。12日午後11時現在、856人から1573万円が集まっている。研究代表者の里井壮平・診療教授(胆膵外科)は「大きな反響に驚き、本当に感謝している」と話す。

 一方、深刻な医師・看護師不足で、人件費分の資金をCFで募っていた大阪府三島救命救急センター(高槻市)も、1週間で目標の2000万円を達成した。寄付の促進に取り組む日本ファンドレイジング協会(東京)の大石俊輔マネージング・ディレクターは「命をテーマに、地域を代表するような医療機関が緊急支援を求めた今回のケースはメッセージ性が強く、幅広い共感を得たのだろう」と分析する。

 寄付はレディーフォーのサイト(https://readyfor.jp/)で受け付ける。

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