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再びがんに(4)生きる限り撮り続ける

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再びがんに(4)生きる限り撮り続ける
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保山さんが撮影した奈良県・吉野山の夕日

 「がんになって良かったとは言わない。でも、新しいもの、新しい命をもらった」

 5月中旬に大阪市内で開かれた講演会で、奈良県の映像作家、 保山ほざん 耕一さん(55)=写真=は参加者に語りかけた後、春日大社や奈良公園、東大寺、吉野山など、奈良の各地の夜明けの風景をまとめた10分余りの映像作品を上映した。

 フリーのテレビカメラマンとして、TBS系の「情熱大陸」や「世界遺産」などの人気番組の映像制作に関わった。

 カメラマンとして生きていくと心に決めてから、依頼された仕事はジャンルを問わずに引き受けてきた。睡眠時間は平均2時間。生き残りの厳しい世界で「絶対に負けない椅子取りゲームをやり続ける」ため、休んだのは父の葬式に出席する1日だけ。幸い、大きな病気を経験したこともなかった。あの時までは……。

 2013年に入り、血便が続いていた。過去に経験した だと高をくくっていたが、その年の夏、東北地方の白神山地の撮影旅行中、用を足そうとして大量の下血をした。奈良の自宅に戻ってトイレに入ると、平衡感覚を失い倒れ、自分で救急車を呼んだ。

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