僕、認知症です~丹野智文45歳のノート
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「認知症になっても働ける社会」って?…若者と豚しゃぶを食べて考えた
高齢者住宅の入居者が従業員に
若者に囲まれて豚しゃぶの鍋をつつきながら、「働くこと」について語り合う――という、楽しくておいしいイベントに、先月末、参加してきました。
会場となったのは、千葉県船橋市に開設されたばかりのサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「銀木犀<船橋夏見>」の一角にあるレストランです。サ高住に入居するお年寄りの中には認知症の人もいますが、本人が希望すれば、このレストランでウェーターやウェートレスなどの仕事をすることができます。
サ高住を運営するシルバーウッドという会社の下河原忠道代表が、「高齢者や認知症の人も働ける場をつくりたい」と、何年も前から温めていた構想がようやく実現。オープンに合わせ、レストランに学生を招いて、一緒に「認知症になっても働ける社会」について考えるイベントを開いた、というわけなのです。
役割があることが大切
お店は、前面がほとんどガラス張りになっていて、晴れた日は気持ちが良さそうです。内装には木材がたくさん使われていて、ナチュラルな雰囲気です。
そこへ福祉を学ぶ学生を中心に、地元の高校や大学、専門学校から20人ほどが集まってきました。まずは、みんなで看板メニューの豚しゃぶをおいしくいただいた後、私と下河原さんの対談となりました。
下河原さんは、「高齢になっても、認知症になっても、いつまでも自分の役割があるということが大切。つまりそれは仕事があるということ。だから、仕事付きの高齢者住宅をやってみようと考えたんです」と、この事業を企画した意図を説明。認知症の人が働いていることを店の売りにするのではなく、「地域の人たちが、おいしい豚しゃぶを食べに来る。そこで、たまたま認知症の人が働いている。そういう自然な形をつくりたい」という狙いを語っていました。
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