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大人の健康を考える「大人び」

コラム

患者力(13)医師と対話 信頼深めて

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  このシリーズでは、元和歌山市医師会長で、田中内科医院(和歌山市)院長の田中章慈さん(71)に聞きました。(米井吾一)

患者力(13)医師と対話 信頼深めて

 今回で最終回です。

 「信頼できる医師を紹介してほしい」。そんな声を患者さんからよく聞きます。しかし、よく考えてみると、信頼とは一方的に与えたり与えられたりするものではありません。患者自身が、医師と一緒に築き上げていくものです。「信頼できる医師」が、どこかにいるわけではありません。

 医療者の立場から見て、信頼できる患者とは、自分の病気に真剣に向き合おうとする人です。以前の回で、私が肺がんの手術をした後、少しでも早く歩けるようになるため、ベッドの上でイメージ歩行を繰り返した話をしました。人間の体は、そんなことをしなくても歩けるようになるものです。それでも医師や看護師はそんな患者の姿をよく見ています。その結果として、「患者の気持ちにこたえたい」と思うのは、ごく自然な感情でしょう。

 自分の病気と向き合うための方法の一つに、情報収集があります。今の時代、インターネットで病気に関する様々な情報が簡単に入手できるようになりました。ネット上には正しい情報も、誤った情報もあります。気をつけたいのは、誤った情報に引っ張られ、患者だけが突っ走ってしまうことです。医師と常にコミュニケーションを取りながら、正しい情報を蓄えていくことが大切です。

 時には、ネットに詳しい子どもさんの方が、多くの情報を持っていることもあるでしょう。そんな時も、あなたが納得できるまで医師と対話してください。医師はきっと応えてくれるはずです。そうした対話が双方の信頼関係を深める一歩になるのです。

【略歴】
田中 章慈(たなか しょうじ)
1973年、和歌山県立医科大学卒。同大学助手を経て、和歌山赤十字病院第二内科副部長。85年、田中内科医院開設。2008年から13年まで、和歌山市医師会会長を務めた。日本臨床内科医会理事。

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