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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

医療・健康・介護のコラム

「デイサービスに行きたい」父が本音をポロリ 母を思う気持ちにホロリ

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突然の告白に言葉を失う

 すると、父さんが飲みかけの缶コーヒーを握りしめ、突然、しみじみと話し始めました。「オレ、ショートステイの施設も嫌じゃないけど、デイサービスが大好きなんだ。デイサービスに行きたい……」

 神妙な面持ちで、いきなり本心を打ち明けたことに驚き、返す言葉を失っていると、「お昼ご飯はどこで食べるんだ!?」と、いつもの父さんに戻りました。

 普段と変わらない様子にホッとしつつも、缶コーヒーを握りしめての突然の告白に、介護されている人も介護する人のことを思いやっていることを知りました。

本心を言えずショートステイへ

 ショートステイは、利用者が施設に宿泊するのに対し、デイサービスは、朝に自宅からやってきた利用者が体操やゲームなどのレクリエーションをしながら過ごし、夕方には自宅に戻ります。介護保険では、両方のサービスを同じ日に使うことはできません。

 父さんは、ここ最近、母さんの体調が優れないのをわかっているようです。だから大好きなデイサービスに行きたくても、母さんにはそれを言えず、母さんが体を休めることができるショートステイに行っているのでしょう。

 父さんの本当の気持ちを知って私もしんみりしながらも、ライターという職業柄、いろいろ聞いてみたくなり、「なぜ、デイサービスの方がいいの?」とインタビューを試みました。すると、「ショートステイも塗り絵や体操をやる時間はあるけど、デイサービスの方がカラオケやお習字、ゲーム大会など、毎日違うことをやれるのが楽しい」とのことでした。

何ができるか…みんなで考えたい

 認知症の父さんにも、母さんには言えない本音があることを知りました。そういった意味では、2人きりの時間がたくさんある病院の付き添いも悪くないのかもしれません。

 そして、父さんの本当の気持ちを知り、娘として何ができるのか……。そこは一人で解決することは難しいので、ケアマネジャーなど父さんの介護生活を支えてくれているプロたちと一緒にベストな方法を考えていければと思っています。

 ところで、2時間の待ち時間を経て受診した結果、父さんの足の裏に出現したデキモノは帯状 疱疹(ほうしん) でした。「こんなところに発疹が出る人はめったにいない!」と医師が驚いていました。しばらくは通院が必要とのことなので、また父さんとじっくり話す時間ができそうです。(岡崎杏里 ライター)

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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

岡崎杏里(おかざき・あんり)
 ライター、エッセイスト
 1975年生まれ。23歳で始まった認知症の父親の介護と、卵巣がんを患った母親の看病の日々をつづったエッセー&コミック『笑う介護。』(漫画・松本ぷりっつ、成美堂出版)や『みんなの認知症』(同)などの著書がある。2011年に結婚、13年に長男を出産。介護と育児の「ダブルケア」の毎日を送りながら、雑誌などで介護に関する記事の執筆を行う。岡崎家で日夜、生まれる面白エピソードを紹介するブログ「続・『笑う介護。』」も人気。

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日野あかね(ひの・あかね)
 漫画家
 北海道在住。2005年にステージ4の悪性リンパ腫と宣告された夫が、治療を受けて生還するまでを描いたコミックエッセー『のほほん亭主、がんになる。』(ぶんか社)を12年に出版。16年には、自宅で介護していた認知症の義母をみとった。現在は、レディースコミック『ほんとうに泣ける話』『家庭サスペンス』などでグルメ漫画を連載。看護師の資格を持ち、執筆の傍ら、グループホームで介護スタッフとして勤務している。

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