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不妊治療 支えるサイト…体験談の検索や費用管理

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福岡の夫婦が開設

不妊治療 支えるサイト…体験談の検索や費用管理

不妊治療の悩みを抱える夫婦向けのウェブサイトをつくった広重尚志さん(左)、元子さん夫妻(福岡市中央区で)

 不妊治療に関する知識や夫婦の悩みを共有するウェブサイト「ベビ matchマッチ 」が完成し、今月から運用を始めている。サイトを作成したのは治療を経験した福岡市の夫婦。治療の内容や費用、日々の不安に答え、「治療中の夫婦の精神的な支えになりたい」と話す。

 福岡市中央区のシステム開発会社社長、広重尚志さん(39)と妻の元子さん(39)。日本産科婦人科学会は子どもを求める夫婦が1年たっても妊娠しない場合を不妊と定義しており、広重さん夫妻も希望してから2人目を授かるまでに4年半かかった。うち2年半は病院で治療を受け、人工授精、体外受精と試した後、取り出した卵子に細い針を使って精子を注入する「顕微授精」で2011年に次女を出産。治療費は計約130万円に上った。

 医療関係の仕事に就いていた元子さんは当時、通院しやすいよう職場では進んで夜勤を選んだ。「不妊を誰にも話せず、こんなに苦しいのは自分だけ、と思っていた。知りたい情報にたどり着くのにも苦労した」と話す。

 仕事と通院の両立や、助成金の申請に必要な治療費の管理に苦労した経験から、基礎体温や投薬、治療費など必要な記録を打ち込み、ウェブ上で管理できるようにした。年齢や治療の段階によって悩みも違うため、自分と似た境遇の体験談を探しやすい機能もつけた。

 世界保健機関によると不妊の48%は男性に原因があるとされるが、夫が治療過程を把握していないことも多い。そこで、妻が書き込んだ治療の記録やいまの気持ちを夫が閲覧し、共有できる機能もつけた。尚志さんは「治療状況を知ることで妻への気遣いが生まれ、一緒に頑張っていこうという気持ちになる」と期待する。元子さんは「一人で悩みを抱える女性と数多く出会ってきた。同じ境遇で頑張る仲間がいることを知ってほしい」と話している。

 閲覧には会員登録をする必要がある。不妊治療患者を支援するNPO法人「Fine」(東京)の研修を受けた不妊カウンセラーにウェブ上で問い合わせる機能なども準備中だという。

 ベビマッチは(https://bebimatch.com)。

仕事との両立 9割超「困難」

 国立社会保障・人口問題研究所の2015年の調査によると、「不妊を心配したことがある」と答えた夫婦は35%と5年前から3.9ポイント増えた。「検査や治療を受けたことがある」との回答も18.2%で、子どもがいない夫婦で検査や治療経験があるのは3.5組に1組に上る。

 NPO法人「Fine」の17年の調査では、不妊治療経験者5526人の約95%が治療のスケジュールが立てにくいことなどを理由に「仕事との両立が困難」と答えている。4割は働き方を見直し、うち半数が退職を選択していた。治療に関して職場の理解を得にくいと感じている当事者は多く、8割が「職場で治療について話しづらい」とした。

 体外受精や顕微授精といった高度な不妊治療は、保険適用外となり、経済的な負担は大きい。各自治体には治療費の補助制度があり、福岡市では、特定不妊治療に要した治療費などに関して1回あたり1人最大15万円の助成を行っている。

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