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痔を防ぐには?…排便習慣などで改善

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痔を防ぐには?…排便習慣などで改善

 肛門の病気の は、日本人の3人に1人が悩んでいるとされる国民病だ。日頃から適切なケアを行い、出血などの症状に気付いたら、恥ずかしがらずに受診してほしい。(冬木晶)

  3人に1人悩む

 痔は、 痔核じかく (いぼ痔)、 裂肛れっこう (切れ痔)、痔ろうの三つに大きく分かれる。

 最も多い痔核は、肛門の内側がうっ血し、いぼのように膨れあがったものだ。肛門の穴から2センチほど奥には、肛門上皮と直腸粘膜の境目となる「 歯状しじょう 線」がある。この線より上の部分にできたものを「内痔核」、下の肛門上皮にできたものを「外痔核」と呼ぶ。

 内痔核は排便時などに出血するが、痛みはほとんどない。ただ、大きくなると垂れ下がり、肛門の外に出てしまう 脱肛だっこう を起こす。外痔核は痛みを感じることが多くなる。

 裂肛は肛門上皮が切れたもので、排便時に強い痛みと少量の出血がある。痔ろうは肛門の周囲に穴が開いて うみ がしみ出る。強い痛みや発熱などの症状がある。

 痔核は、排便時に強くいきむなどして肛門内側の血流が悪くなることが原因でできる。トイレ以外でも長時間座っていたり、辛いものをよく食べたりすると悪化する。妊娠や出産の際に症状が出ることもある。

 裂肛は、便秘や下痢が原因でできるほか、肛門を開け閉めする括約筋がストレスなどで緊張し、肛門が狭くなった人にも起こりやすいといわれる。女性に多く、20歳以上の比較的若い人がなりやすい傾向がある。

 一方、痔ろうは男性に多く、下痢の時に歯状線にあるくぼみに勢いよく便が入り込み、細菌感染を起こして膿がたまることで発症する。膿の通り道がおしりの外まで出たのが痔ろうだ。

  早期にケアを

 痔核や裂肛は、初期の段階では塗り薬や座薬で症状を抑えたり、おしりをお湯で温めて清潔にしたりすることで改善が見込める。服薬や生活習慣の見直しで、便秘や下痢を解消することも有効だ。

 内痔核は進行すると、出血を繰り返し、脱肛しやすくなる。まずは、痔核を固める薬剤を注射する「硬化療法」や、痔核に輪ゴムをかけて脱落させる「ゴム輪 結紮けっさつ 法」を検討する。どちらも痛みが少ないが、痔核が大きすぎる場合などは、手術で切除する。

 慢性化した裂肛に対しては、傷口を切除して近くの皮膚で覆う手術や、括約筋の一部を切開して肛門を広げる手術が用いられる。

 痔ろうは10年以上放置すると、低い確率だが、がん化する恐れがあり、膿を出して通り道をなくす手術を受ける必要が出てくる。

 排便習慣の改善が一番の予防となる。食物繊維の多い食事を取って便秘をなくし、トイレで無理にいきまないようにし、座る時間も5分以内と短くする。体の冷えは肛門の血流を悪くする。体をあまり冷やさず、ストレスをできるだけためない生活も大切だ。

 大阪中央病院特別顧問の斎藤徹さん(肛門外科)は「便の状態は、歯磨きペーストの軟らかさから、バナナの硬さまでが良い。長時間座っているだけでおしりには負担になる。20分に1回でも、その場ですっと立てば血流が戻る。痔は早期に診断できれば、手術までいかずに治療できるケースが多い」と話している。

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