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40代から備えよう「老後のお金」

コラム

「あの世でもよろしく」 共同墓に入る他人同士が仲良く…「墓友」をご存じですか?

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でも、やっぱり「一人では死ねない」

 不定期で行っているSSSネットワークの説明会を見学させてもらいました。印象的だったのは、参加者が「自分が死んでからお葬式までの流れ」を確認していた場面です。「SSS直葬プランを利用するためには、私が死んだ時、誰かが事務局に連絡しないといけないんですか?」との質問に、「もちろんです。どなたからかご連絡をいただかないと、私たちでは情報をキャッチできないですからね」と松原さん。

 お墓やお葬式の備えは生前にできますが、それを実際に利用するには、自分が死んだ時、誰かが連絡をする必要があるのです。死後の事務手続きや部屋の片づけも、当然ながら、自分ではできません。入会説明会で、メモをとりながら手順を確認している参加者を目の当たりにし、どんなに自分で準備しても、「やっぱり、一人では死ねないんだ」と実感しました。

 こうしたケースに、「見守り」や「死後の片づけ」といったサービスを提供している業者さんはいます。日本の金融資産は高齢者に偏在しているので、今後、この層に向けたビジネスは増えていくことでしょう。血族に頼る以外の方法がなかった時代に比べたら、選択肢が増えたのはとても喜ばしいことです。ただ、サービスを受ければ現実問題としてお金がかかります。

ゆるくて優しいつながりは「財産」

 冒頭の京子さんは、「墓友、ご近所、趣味が同じ人とのお付き合いを大事にしています」と言っていました。「年をとった人間が、よりよく生きるための社会的な受け皿というのは、まだまだ整っていないんです」とも。老後向けサービスの市場が活性化して、質も洗練されていくことを願います。

 その一方で、こんな京子さんの言葉も、私の中に残りました。

 「長生きをすればするほど、人とつながったり社会参加したりするのが厳しくなっていきます。体が不自由になったり、食べられるものが違ってきたり……それぞれの人が違うのが当たり前で、『私と相手は違う』と、わきまえることも必要です」

 他者とゆるく、優しくつながることができたら、それは文字通り「財産」なのではないか? どうしたら、他者とそんなつながりが持てる自分になれるのだろうか? そんなことを考え始めてみるのも、立派な、「40代からの備え」になるのではないでしょうか?(楢戸ひかる マネーライター)

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楢戸ひかる(ならと・ひかる)

マネーライター、ファイナンシャル・プランナー

 1969年生まれ。大手商社に8年間勤務後、フリーライターに。妊娠を機にファイナンシャル・プランナー資格(現FP技能士)を取得。約20年にわたり、女性向けのマネー記事を執筆してきた。
 ホームページ「主婦er」の運営や、ワークショップ「『小さな暮らし』を始めるための3カ月家計簿」も手がける。家族は、夫と息子3人(高校生と中学生)。

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