文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

訪問診療にできること~最期まで人生を楽しく生き切る~ 佐々木淳

医療・健康・介護のコラム

余命3か月のシステムエンジニアが、最後に取り組んだ仕事

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

家族からの手紙が伝えること

 暑い日が続きます。みなさまお変わりありませんか。
 先般、●●永眠の際は、お忙しい中、厚いご配慮をいただき本当にありがとうございました。心から御礼申し上げます。たくさんの友人、知人に囲まれて、53年間生きた地上から、いつも以上の笑顔で旅立ったに違いありません。
 死をおもうときにこそ、人は「生」の重みと喜びを実感するのですね。がんにより肝臓がほぼ機能しなくなった亡くなる10日ほど前、「本当に楽しかったよ。モノを創っている人はおもしろい。そういう人の手助けをするのが一番楽しいよ」と静かに語ってくれました。多くのクリエイティブな友人たちの心にこの言葉が届きますように。
 最後の仕事は居住マンションの緊急時用電源確保のためのソーラーシステムでした。見事にやり遂げました。近隣のみなさまにも気持ちが届きますように。
 愛用のパソコンは今もスリープ状態です。穏やかな点滅が呼吸し続けています。わたしたち家族とともにいつまでも。

人生の価値は長さではない

  残された大切な時間を、自分の大切にしてきたもののために、大切に使いきった彼の姿は、家族の間に、そして友人たちの間に、いつまでも生き続けるのだと思います。
 人はいつか必ず最期の時を迎えます。それがいつごろ訪れるのか、わかってしまっている人もいます。 しかし、僕たちも、それがいつなのかわからない、というだけで、人生が有限であるということには変わりはありません。 人生の価値は、その長さではないということ。そして、生物学的な命は有限だが、人としての命にはもしかしたら無限の可能性があるのかもしれない。彼の主治医をさせてもらって、そんなことを教えてもらったような気がします。(佐々木淳 訪問診療医)

2 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

sasaki-jun_prof

佐々木淳(ささき・じゅん)

 医療法人社団悠翔会理事長・診療部長。1973年生まれ。筑波大医学専門学群卒。三井記念病院内科、消化器内科で勤務。井口病院(東京・足立区)副院長、金町中央病院(同・葛飾区)透析センター長を経て2006年MRCビルクリニック(在宅療養支援診療所)設立。2008年、団体名を悠翔会に改称。首都圏12か所で在宅療養支援診療所を運営する。

訪問診療にできること~最期まで人生を楽しく生き切る~ 佐々木淳の一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事