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ピック病(認知症)介護『父と私の事件簿』

介護・シニア

父の湿疹に医師は「年のせい」 治らず別の病院に行くと、「あった! 皮膚に卵が」…

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小規模多機能は通所禁止に

 仕方のないことだが、通所禁止には参った。ずっと父が家にいると気が抜けないし、間の悪いことに、私には8日後、遠方に行く用事があり、その日は小規模多機能に父を宿泊させることになっていたのだ。ヒゼンダニを殺す薬を2度飲んだ後だから、大丈夫かもしれないが、「宿泊は、寝具を使うので、できたら避けてほしい」とケアマネさんは言う。それもそうだ。

 ありがたいことに、通所禁止の間も、毎日、父の全身に薬を塗るためにスタッフを派遣してくれ、その足で父の買い物同行もしてくれ、本当に助かった。父は買いものに行かないといらいらするし、薬も、家族よりスタッフが塗ってくれたほうが抵抗がない。結局、私の不在日は、お昼過ぎまで通所して、夕方は家に見守りで訪問してもらい、翌日は、朝早く通所のお迎えに来てもらうことで乗り切った。

 やがて、父の症状が良くなってきて、平常通りの通所となったが、その間、私のおなかにぶつぶつと発疹ができ、「ぎゃ~私もなってしまった!」と一瞬、パニックになったこともある。父が診断された病院で調べたところ、ただのじんましんで、医師が「一人で父親をみているのは、すごいストレス。じんましんくらい出て当然よ」と言ってくれてうれしかった。患者の家族の癒やしになる医師が、私は好きだ。

 介護中は、ただでさえ気が 滅入(めい) ることが多いので、家族を責めるタイプの医師に当たると、帰り道にはひどく落ち込んでしまう。家族に思いやりのある医師との出会いは、貴重なのである。(つづく)(田中亜紀子 ライター)

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田中亜紀子(たなか・あきこ)
 1963年神奈川県鎌倉市生まれ。日本女子大学文学部国文学科卒業後、OLを経て、ライター。女性のライフスタイルや、仕事について取材・執筆。女性誌・総合誌などでは、芸能人・文化人のロングインタビューなども手がける。著書に「満足できない女たち アラフォーは何を求めているのか」(PHP新書)、「39.9歳お気楽シングル終焉記」(WAVE出版)。

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4件 のコメント

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後の医師が良い!

のん

こういう医師はとてもいいですね!! 前に何かの(ここは忘れた)症状が出たとき 医師が色々酷すぎてろくなもんじゃなかったです。 でも違う病院へ行っ...

こういう医師はとてもいいですね!!
前に何かの(ここは忘れた)症状が出たとき
医師が色々酷すぎてろくなもんじゃなかったです。
でも違う病院へ行ったところ良い先生に当たり
症状も良くなり…。
こういう先生が増えてほしいですね!
困っている人も助けてもらえますし。

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なんか肩の力がフット抜けた⋅⋅⋅⋅

スーさんママ

[83歳になる実家の父。認知症の症状が出ているが病院に行ってくれず、キレる]という検索をしたら田中さんのコラムに当たり、読みふけてしまいました。...

[83歳になる実家の父。認知症の症状が出ているが病院に行ってくれず、キレる]という検索をしたら田中さんのコラムに当たり、読みふけてしまいました。心身共に大変だな~と、思う反面、重たい内容なのに読んでいても思わず笑ってしまう文面に、気持ちがほんとうに楽になりました。父が病院に行ってくれないことで悶々としていたので⋅⋅⋅⋅

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コミュニケーションの限界とミスの折り込み

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受

こういうことは、どこの科の領域でもあります。 腹痛や下痢をきたす疾患など、やまほどあって、循環器領域に属するようなものもあります。 しかし、煩雑...

こういうことは、どこの科の領域でもあります。
腹痛や下痢をきたす疾患など、やまほどあって、循環器領域に属するようなものもあります。
しかし、煩雑ですので、軽い症状やいつもの症状はいつもの軽い薬で様子を見ながらというのが、一次救急の基本的な考え方だと思います。
いつもの薬、いつものやり方が効かないというのが大きな情報だからです。

昔は、検査機器の精度も速度も今ほどではなく、扱える人も多くなかったので、対症療法が中心でした。
このことの影響が強く、地域の雇用や経済も含めて大きな変化を求める部分があり、医療の現場では様々な問題があります。
機械やソフトは簡単にばらまけますが、医師や患者及びその共通の文化やコミュニケーションのあり方を一気に変えることはできません。

そういう部分を織り込んで、患者も医師も動けるように、今後変わっていく必要があります。
自分が最初に放射線科を選んだのも、初期研修で、コミュニケーションや共通言語の難しさに気付いたせいもあります。
下手すると、カタコトの英語で同じ概念を専門家同士で喋る方が楽です。

高齢化社会の中で、認知症も増えざるを得ませんし、画像診断の重要性は増していると言えます。

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