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子どもの健康を考える「子なび」

コラム

食物アレルギー(10)学校や保育所 事故想定し準備

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  このシリーズでは、国立病院機構相模原病院臨床研究センター副臨床研究センター長の海老沢元宏さん(58)に聞きます。(聞き手・矢沢寛茂)

食物アレルギー(10)学校や保育所 事故想定し準備

 食物アレルギーのある子どもが、反応が起きる食品を誤って口にする事故は、自宅以外の保育所(園)や学校でも起こりえます。保護者、医師、教員、給食の調理師・栄養士らの間での情報共有や、万一の事態を想定した準備が欠かせません。

 保育所に通う5歳の男児は、牛乳と小麦にアレルギーがあり、給食ではこれらを除去したメニューを提供していました。ところが、ある日、保育士が目を離したすきに、隣の子どものうどんが気になり、1本つまんで食べてしまったのです。すぐにせきやじんましんなどが出て、呼吸が苦しくなるほど体調が悪化するアナフィラキシーの状態でした。

 保育士は医師に電話で指示を仰ぎ、誤食から6分後、あらかじめ用意していた、アナフィラキシー状態を和らげる自己注射薬「エピペン」を男児の太ももの筋肉に打ちました。救急車で病院に到着した頃には、せきや呼吸の乱れは収まり、翌日に退院できました。

 保育所や学校の職員には、食物アレルギーを持つ子どもへの対策を国などがガイドラインで定めています。男児のような給食での事故防止や、事故時の対応を重視しています。

 2012年に学校給食で様々な予期しないことが重なり、牛乳のアレルギーが原因のアナフィラキシーによる死亡と考えられる悲しい事故がありました。

 調理実習で材料が混在したり、遠足などの行事で子どもが食べ物を交換し合ったりして起きるほか、新たに発症することもあり得ます。個々の子どもの情報をいつも把握し、アナフィラキシーの場合にただちに対処できる訓練や準備が重要です。

【略歴】

海老沢元宏(えびさわ・もとひろ)
 小児科医、アレルギー専門医。東京慈恵医大卒。最新情報を発信する「食物アレルギー研究会」の世話人代表。

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