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「教えて!ドクター」の健康子育て塾

コラム

子どもとアウトドア 野山にはキケンな虫もいっぱい…安全な虫よけの使い方知ってますか?

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手指には塗らないで!

 虫よけを使うときに気をつけてほしいのは、塗りすぎないことです。あくまで露出している肌に塗り、服に隠れる部分まで塗る必要はありません。また、小児の場合は特に成分を吸い込まないよう、スプレータイプではなく、ローションタイプを選び、保護者の手に一度付けてから塗ってあげるのがよいです。その際、お子さんの手指には、虫よけを塗らないでください。お子さんは、無意識のうちに手を口に入れたり、目をこすったりするものです。

 また、日焼け止めと一緒に使う場合は、注意が必要です。米国疾病対策予防センター(CDC)は、2点を挙げています

 一つは、日焼け止めと虫よけが一緒になった製品を使わないことです。一見、便利に思えますが、日焼け止めと虫よけでは、塗りなおす頻度に違いがあります。日焼け止めは、子どもの場合は特に2~3時間おきに塗り直す必要があるのに対し、虫よけはそこまで塗り直さなくてよく、むしろ、塗りすぎが皮膚の負担になります。

 二つめは塗り方です。両方使う際には、虫よけ成分が外側に来る方が虫よけの効果が高いため、日焼け止めから先に塗るとよいとしています。

 体に塗る虫よけ以外では、日本では蚊取り線香がおなじみです。ただし、効果の弱い製品もあるので、過信は禁物です。また、喘息ぜんそくのお子さんは、蚊取り線香の煙がきっかけで発作が出ることもあるので注意してください。

それでも虫に刺されたら

 虫よけを使っていても、虫に刺されてしまうことはあります。その場合の対処方法についてお話しします。まずは、流水でよく洗い流してください。子どもの場合、かゆみが強く、かき壊してとびひの原因になります。患部を氷のうなどで冷やすと、かゆみが軽くなることが多いです。そして、虫さされ用の 軟膏(なんこう) (炎症を抑えるために抗ヒスタミン薬やステロイドの成分が入っています)を塗ってください。ちなみに、「ポイズンリムーバー」というグッズが市販されていて、「傷口に押し当てて刺された部分から虫の毒液を取り除く道具」とされていますが、医学的な効果は証明されておらず、小児科医としてはお勧めしていません。腫れが強いときは、皮膚科もしくは小児科を受診してください。

 これらの内容をまとめたフライヤーも作成しています。虫よけだけでなく、適切な服装などについてもまとめてありますので、ぜひプリントアウトしてご家族で共有していただき、虫さされに悩まない夏をお過ごしください。(坂本昌彦 小児科医)

その他の参考文献:
  1. EPA: Repellents: Protection against Mosquitoes, Ticks and Other Arthropods
    (2019年5月14日参照)
  2. 内田義孝他:虫さされアレルギー,治療,vol.94(11),1924-1929,2012
  3. 近利雄、三島伸介:トラベル&グローバルメディスン,南山堂

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坂本昌彦(さかもと・まさひこ)

 佐久総合病院佐久医療センター・小児科医長
 2004年名古屋大学医学部卒。愛知県や福島県で勤務した後、12年、タイ・マヒドン大学で熱帯医学研修。13年、ネパールの病院で小児科医として勤務。14年より現職。専門は小児救急、国際保健(渡航医学)。日本小児科学会、日本小児救急医学会、日本国際保健医療学会、日本国際小児保健学会に所属。日本小児科学会では小児救急委員、健やか親子21委員。小児科学会専門医、熱帯医学ディプロマ。現在は、保護者の啓発と救急外来の負担軽減を目的とした「教えて!ドクター」プロジェクトの責任者を務めている(同プロジェクトは18年度、キッズデザイン協議会会長賞、グッドデザイン賞を受賞)。

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