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コラム

[女優 松原智恵子さん](上)人ごとと思えぬ「認知症」 重い話をユーモア交え温かく

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 5月31日から公開される映画「長いお別れ」は、認知症になった男性と家族の物語です。日本では、社会の高齢化とともに認知症の人が増え続け、2025年には約700万人に達する見通しです。誰にとっても人ごとではないこの病気と、「老い」や「家族の絆」について、映画に出演した女優の松原智恵子さんに聞きました。(聞き手・飯田祐子、撮影・武田裕介)

脚本を読んで胸が苦しくなったけど…

松原智恵子さん

 ――「長いお別れ」は、直木賞作家の中島京子さんが認知症の父親と暮らした経験を基に執筆した小説が原作ですね。出演の依頼を受けた時は、どう感じましたか。

 これまで、認知症の人が身近にはいなかったので、認知症のことはあまりよく分かっていませんでした。ところがこの映画の脚本を初めて読んだ時、近い将来、自分や家族にも同じことが起きるのではという思いに襲われたのです。胸が苦しくなって、思わず床にしゃがみ込んでしまいました。

 そのことを中野量太監督にお話ししたら、「そんなに深刻に考えないで。前向きに、前向きにやりましょう」と言われました。

 ――中学の校長だった (ひがし) 昇平を妻として支えながら2人の娘を育ててきた曜子は、昇平が認知症になってからも変わらずに寄り添っていきます。この役を、松原さんが何とも優しく、かわいらしく演じていますね。

 監督の考えを受け止めて、明るく演じるよう心がけました。お父さんは認知症という大変な病気になり、娘たちもいろいろと思い通りにならない人生を送っているのですが、ストーリーの重さをそのまま映像にするのではなく、ユーモアを交えて温かく描いています。

 ――中野監督の前作「湯を沸かすほどの熱い愛」も、がんで命の期限が迫った女性を巡る深刻な物語でありながら、人の温かさや優しさを強く感じさせました。

 あの作品も、登場人物がみんなとてもかわいらしくて、いとおしいですよね。今作にも通じるものがあると思います。

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