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「しばらない」病院(5)患者の「納得」待ち続ける

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「しばらない」病院(5)患者の「納得」待ち続ける

ケイさん(手前)の自宅を後にする深井さん。車で通ってくる(風景は一部、画像を修整しています)=金沢修撮影

 病院は嫌じゃと、ケイさん(63)は思う。亡き夫に促されて、地元のまきび病院(岡山県倉敷市)に通院したが、どうも苦手だ。それでも、訪問看護に来る深井久仁子さん(52)のことは頼りにしている。

 郊外の一軒家で、職人の夫や息子と3人暮らしだった。統合失調症を患い、幻聴で人の悪口が聞こえると、外来にかかった。飲むとだるくなる抗精神病薬は、いつもこっそりやめていた。

 2017年2月、事情が変わった。布団や夫の仕事道具を庭に置いたバスタブで燃やした。対象は後に、蛍光灯、カセットデッキ、夫の礼服などにエスカレートした。その時は「頭の中が真っ白」で、何も覚えていないのだけれど。

 3月、深井さんと医師が自宅にやってきた。深井さんは訪問看護部で唯一の常勤スタッフで、作業療法士。在宅リハビリを含め、訪問看護全般を担うという。夫から説明を受けたことも忘れていたため、最初はけげんに思った。

 それから3か月間、深井さんは毎日、訪ねてきた。居留守を使っても、「深井でーす」と声がする。黙っていると、「また来まーす」と帰っていく。「なんでこんなに来るんじゃろう」。ただ、心配してもらっていることは分かる。

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