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Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」

医療・健康・介護のコラム

「睡眠薬を飲んでも眠れない」は服用時刻に問題あり!?…「腕時計」よりも「体内時計」に従って

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よく眠れていた頃の睡眠習慣に近づけて

 50歳代以降になると、健康な人でも睡眠時間は平均7時間を切ります。23時過ぎから翌朝6時を中心に、コンパクトに眠ることが推奨されています。ましてや、睡眠時間が短めの不眠症の方が、21時頃から寝床に入ったのでは、朝6時までの9時間の間に、眠れずに 悶々(もんもん) と過ごす時間が約3時間にもなってしまいます。これでは「不眠恐怖症」が増すばかりです。

 また、最近よく用いられている睡眠薬は、起床後に眠気を持ち越さないように、作用時間が3?5時間程度と短めのものが主流です。そのような薬を21時前に服用したのでは、深夜に目を覚ました頃には催眠作用も切れ、「二度寝」に苦労するのは当然です。睡眠薬を服用するなら、せめて22時半以降に、眠気をこれ以上我慢できない……という状態になってから、「最後の一押し」として服用してください。

 私たちが快眠できる時間帯は「腕時計」ではなく「体内時計」によって決められています。不眠に悩み始めると、ついつい腕時計に気を取られて早く寝ようとしがちですが、それよりも、自分の体内時計に従い、かつてよく眠れていた頃の就床時刻に近い睡眠習慣を目指してください。

「夜型」の入眠困難には睡眠薬の効果が乏しい

 実は、 若い人の中にも「腕時計のワナ」にはまっている人が少なからずいます。それは「夜型」の人です。夜型の人の体内時計は遅れているため、腕時計では十分遅い時刻でも、なかなか眠気がやってきません。ところが、起床時刻は腕時計で決められているため、結果的に睡眠不足になってしまいます。そのため、夜型の人が「入眠困難」を訴えて病院を受診し、不眠症と誤診され、若い頃から睡眠薬を長期間服用しているケースもあります。

 夜型の不眠症状(入眠困難)には、睡眠薬の効果が乏しいことが分かっています。むしろ、体内時計の時刻を早め、腕時計に近づける工夫が必要です。そのノウハウについては「秋は『夜型化』の季節 良い睡眠のため、午前中は『上を向いて歩こう!』」をご参照ください。(三島和夫 精神科医)

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三島和夫(みしま・かずお)

秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座 教授

 1987年、秋田大学医学部卒業。同大助教授、米国バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事。著書に『不眠症治療のパラダイムシフト』(編著、医薬ジャーナル社)、『やってはいけない眠り方』(青春新書プレイブックス)、『8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識』(共著、日経BP社)などがある。

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