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伊藤清世の「あれ?コレ 介護食 plus」

[ きょうの健康レシピ ]

健康・ダイエット・エクササイズ

軟らか豚肉のショウガいため

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 こんにちは、在宅訪問管理栄養士の伊藤清世です。

 高齢の方が肉を食べない理由として、お口の機能の低下だけでなく「中年期の生活習慣病予防の食事」を継続している場合もあります。中年期までは過栄養、メタボ予防を目的に「脂質や塩分、エネルギーの取り過ぎ」に注意した食事が必要です。しかし、高齢期では低栄養、筋力低下の予防を目的に「今まで以上に積極的に栄養を取る」というように、考え方を切り替える必要があるといわれています。

 たんぱく質の摂取源として必ず肉類を食べなければならないわけではありません。しかし、肉類には体を作るときに必要な必須アミノ酸も含まれており、適量の摂取を心掛けたい食材です。

 今回は、少しかむ力の低下した方にも食べやすいよう、しゃぶしゃぶ用の肉を使用しています。さらに表面に片栗粉をまぶすことで、肉の水分が閉じ込められ、軟らかく仕上がります。

 調理の際のポイントは、肉が加熱し過ぎて硬くならないよう、タマネギを先にしっかりといためて味をつけておき、肉を入れたらさっといため合わせる程度にすることです。

 今まで食べなかったお肉を少しでも食べてくれたときには、「食べてもらえてうれしい」という思いを伝えることも大切です。その言葉が次の一口につながることもあります。

[作り方]

(1) 豚肉は食べやすい大きさに切り、片栗粉を薄くまぶす。沸騰した湯に豚肉を入れてさっとゆで、ザルに上げて水気を切る。

(2) タマネギは繊維を断ち切る切り方で3cm長さ、5mm幅に切る。(A)の調味料を混ぜ合わせておく。

(3) フライパンに油を熱し、(2)のタマネギをしんなり軟らかくなるまで、弱火で焦げないようにいためる。しんなりしてきたら、合わせておいた(A)の調味料を加えて軽く煮る。

(4) (3)のフライパンに(1)の豚肉を加え、たれをからませるように混ぜ合わせ、火を止める。

(5) 付け合わせのキャベツは1cm幅の短冊切りにし、軟らかくゆでる。ニンジンは5mm幅の輪切りにして鍋に入れ、ひたひた程度の水を加えてゆで、軟らかくなってから(B)の材料を加えて、水気がなくなるまで煮詰める。

(6) 豚肉と付け合わせを盛り付けて出来上がり。

※かむ力、のみ込む力には個人差があります。食べる機能を確認しましょう。

 (レシピ作成 在宅訪問管理栄養士 伊藤清世)

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伊藤清世(いとう きよ)

在宅訪問管理栄養士・介護食アドバイザー
委託給食会社で病院・高齢者施設・保育所等の調理業務、総合病院の管理栄養士を経て、現在は仙台市の「ないとうクリニック複合サービスセンター」で在宅訪問管理栄養士として活動中。また、地域での講演活動を通じ、かむ、のみ込む力が低下した方にも喜ばれる、食べやすくおいしい食事作りを提案している。

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