文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

医療相談室

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

膵臓がん疑いで経過観察 不安

 昨年11月、みぞおちと背中に鈍痛があり、造影CTを受けたところ、画像所見では「 (すい) がん、腫 (りゅう) 形成性膵炎の疑い」でした。医師の診断では血液検査の腫瘍マーカーを含め、目立った異常は見当たらないとのことで、経過観察のため、月1回、血液検査をしています。膵臓がん末期の血液検査では、アミラーゼ値やリパーゼ値は正常値になることがあると聞き、不安です。(京都府 48歳女性)

慎重に経過を見ながら、場合によっては専門家受診を

跡見 裕・杏林大学名誉学長(東京都)

 「腫瘤形成性膵炎」は、多くの方にとって聞きなれない病名だと思います。これは慢性膵炎のなかで、膵臓の一部がやや大きくなり、より硬くなっている状態を示したものです。X線CTや超音波検査で、膵臓の一部が 腫大(しゅだい) していて、膵臓がんを疑われる患者さんがいます。手術をしてみると、腫大した箇所が膵臓がんと同じように硬く触れるのですが、組織をとって調べてもがんではなく、慢性膵炎であるということがあります。このように膵臓がんと見分けがつきにくく、やや厄介な病態と言えます。

 慢性膵炎は、長期にわたるアルコールの過剰摂取によることが多く、膵臓の機能の低下、組織の線維化が生じます。以前は圧倒的に中高年の男性の病気でした。これは飲酒歴と密接な関係があることから当然のことですが、近年は女性の飲酒者が増えたことにより、少しずつ女性の患者さんが見られるようになりました。今回の方は48歳の女性ですが、飲酒歴はどのようなものでしょうか。

 慢性膵炎は、膵臓全体に変化があることが多い病気です。やや腫大した部位以外の膵管の所見をMRIなどで調べることも必要となります。飲酒歴のない方や、はっきりと慢性膵炎と診断できない方では、内視鏡的な生検で組織をとって調べることもあります。血液検査で腫瘍マーカーなどが異常ないとのことですが、ご指摘のように、これでは膵臓がんかどうかはあまりわかりません。慢性膵炎に膵臓がんが発生することもありますので、慎重に経過を見ながらも、少しでも膵臓がんを疑うようなことがあれば、よく担当医と相談し、膵臓の専門家の受診も考えてはどうでしょうか。

 なお、膵臓の腫大をきたす疾患として、最近知られてきたものに、自己免疫性膵炎があります。これは血液検査や画像診断でかなり診断することができます。少し特殊な膵炎ですので、これを疑うような所見があった場合も、膵臓の専門家に相談すると良いと思います。(日本専門医機構協力)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

医療相談室 新着回答

一覧へ

相談を投稿する

読売IDを取得し、ヨミドクターの有料(プラス)登録をされた方が利用できます。
下の「会員登録」のボタンをクリックして、手続きしてください。

  • 相談と回答は紙面に掲載されることもあります。すべての相談にはお答えできません。また、個別には回答いたしません。

直接相談する

24時間電話医療相談サービス

相談するには

オンライン相談には、ヨミドクターの有料(プラス)登録が必要です。電話相談は、読売新聞を購読されている方で、ヨミドクターの有料(プラス)登録をされた方のみご利用できます。

有料登録は月額200円(税抜き)です。