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「しばらない」病院(2)「自由が必要」自主性尊重

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「しばらない」病院(2)「自由が必要」自主性尊重

服や箱、自作の絵などであふれかえるシンさんの病室。4人部屋を2人で使う=金沢修撮影

 シンさん(61)の病室は圧巻だ。「別に、城じゃないよ。よくなるには自由が必要なんだ」。まきび病院(岡山県倉敷市)の患者を代表するように、威厳に満ちた物言いをする。

 理系の大学4年時、統合失調症を発症した。時に妄想や幻覚が出る。自称、応用物理学者。脳内のコンピューターが海外の軍事産業につながるため、「テロリスト」の狙撃を恐れる。

 2011年、強制入院で数か月過ごした精神科病院の閉鎖病棟から、自分の意思で、まきび病院に転院した。外来にかかった時の印象がよかったからだ。

 シンさんはこう考えた。「刑務所のような」管理型の病院は狙撃手も侵入しにくい。反面、スタッフは患者に冷たく、話もせず薬の量ばかり増やす。コンピューターが誤作動し、感情や思考がまとまらないのは分かる。だが、脳の修復に最も必要な栄養はふだん通りに暮らせる自由だ――。

 シンさんは、ものを次々と持ち込んだ。そのたびに、病棟看護師の 能口のぐち 律子さん(65)とバトルになった。

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