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子どもの健康を考える「子なび」

コラム

食物アレルギー(9)患者6~7割 3年で卵半個

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  このシリーズでは、国立病院機構相模原病院臨床研究センター副臨床研究センター長の海老沢元宏さん(58)に聞きます。(聞き手・矢沢寛茂)

食物アレルギー(9)患者6~7割 3年で卵半個

 5歳の女児は退院1か月後から、加熱した鶏卵(卵)の増量を始めました。およそ1週間ごとに2割ずつを目安に少しずつ食べる量を増やします。定期的に通院し、副作用や、卵白に対する反応を示す血液検査の値をチェックします。

 こうして1年間かけ、加熱した卵で6グラム程度まで摂取可能になりました。上昇が続いていた血液検査の値も少しずつ下がっていきました。

 摂取を続けている間は症状が出ませんが、完全に治った状態ではありません。かぜを引いたり、食べた後に激しく動いたりすると、症状が誘発されることがあります。体調を崩して摂取が中断すると、それまで取れていた量が取れなくなり、再開した時に症状が出てしまうこともあります。

 家族は内服薬や吸入薬の使い方など、対応の指導を受けておきます。治療する医療機関とは、いつでも連絡が取れるようにしておきます。

 女児は、治療開始から1年が経過した時点で2週間、摂取を中断し、改めて6グラムを食べられるかの「経口負荷試験」をしたところ、問題なく食べられました。さらに週2~3回程度の摂取を続け、1年後には卵の半個分、24グラム程度を取れるようになりました。

 平均すると、3年間で6~7割の患者が同じくらいの量を摂取できるようになります。目標通りに進められる人がいる一方、増量すると症状が出て、なかなか増やせない人もいます。

 経口免疫療法は卵以外でも行われています。牛乳では3ミリ・リットル程度、小麦ではうどん2グラム程度、ピーナツでは0・5グラム(半粒程度)でアレルギー症状が出る患者が対象です。1年程度かけて、症状が出ていた量を問題なく食べられるようになるのが目標です。

【略歴】

海老沢元宏(えびさわ・もとひろ)
 小児科医、アレルギー専門医。東京慈恵医大卒。最新情報を発信する「食物アレルギー研究会」の世話人代表。

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