山崎まゆみの「心もとろける癒やしの温泉」
医療・健康・介護のコラム
雪国の山が芽吹く頃に、子宝温泉へ(新潟・栃尾又温泉)
ぬる湯に30分、体中の凝りが流れ出す
ぬる湯は、源泉温度36度。湯船に注がれる頃には35度前後になります。
湯に触れた瞬間は「ぬるいな」と感じますが、まずは、湯の温度に体を慣らしながら、徐々に。音を立てず、するりと湯の中に入っていきます。
入浴してしばらくは、ぬるく感じます。窓越しに見える、緑を感じながら、瞼を閉じます。静かに、息をします。無の境地に到達するまで、そのままの状態で。
人にもよりますが、入浴から30分程経つと、体にあった凝りが、流れ出ていくような感覚になります。
そこからさらに入り続けます。
すると、温泉と体がとけあうような、温泉と私が一体化したような、不思議な瞬間が。
ここで瞼を開けます。肌を見ると、気泡がついています。その泡は、外から射しこむ光で照らされて、銀色に輝いています。体中が輝いているのです。
浴場の窓越しに見える緑も、眩い。
入浴後は、浴衣を着て、客室に戻ります。長い入浴の疲れがありますから、少し横になると、体がホカホカしているのに気づきます。
そう、この温熱効果。
熱い湯に短い時間入浴するよりも、ぬるい湯に長くつかる方が、体の芯まであたたまり、ほぐれます。
水分を補給しながら、うたた寝などすれば、もうこの上ない幸せ。
一休みしたら、外に出て、緑の中を歩いてみます。
深呼吸をして、体に新鮮な空気を入れてあげるのです。これを繰り返すと、体中の細胞が喜んでくれるはずです。
ラジウム納豆、季節の山菜天ぷらも
栃尾又温泉には名物の「ラジウム納豆」があります。新潟県産の大粒の大豆を栃尾又温泉につけて、戻して納豆に。自在館で湯治すると、朝食に出されます。
匂いがきつくなく、あまり糸をひかず、まるで大豆を食べているかのようなラジウム納豆。大豆が湯治したからか、やはり、まろやかな仕上がりです。
ちなみに、自在館の半露天の貸切風呂「うけづの湯」は、目の前に緑が広がる心地のいいロケーションです。
さらに、この季節のみのご馳走も待っています。
「5月は山菜がピークです。通常の食事に加えて、その日に手に入れば頼める“地元の山菜天ぷら”を季節限定でお出ししています。地元のものしか出しませんので、その日次第です。これも旅の一興と楽しんでください。また山奥なら、まだ桜もご覧いただけますよ」(若旦那の星宗兵さん)
栃尾又温泉 自在館
※3軒の旅館の共同湯「したの湯」「うえの湯」を利用できるのは宿泊者のみ。
【 所在地 】〒946-0087 新潟県魚沼市栃尾又温泉
【 電 話 】025-795-2211
【 泉 質 】単純放射能温泉
【 効 能 】筋肉又は関節の慢性的な痛みまたはこわばり (関節リウマチ、 変形性関節症、 腰痛症、 神経痛、 五十肩、 打撲、捻挫などの慢性期)、 運動麻痺(まひ)における筋肉のこわばり、 冷え性、末梢(まっしょう)循環障害、 胃腸機能の低下 (胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、 軽症高血圧、 耐糖能異常 (糖尿病)、 軽い高コレステロール血症、 軽い喘息(ぜんそく)または肺気腫、痔(じ)の痛み、 自律神経不安定症、 ストレスによる諸症状 (睡眠障害、 うつ状態など)、 病後回復期、 疲労回復、 健康増進
【アクセス】JR浦佐駅から送迎30分(要予約)
【ホームページ】http://www.jizaikan.jp/
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