yomiDr.編集室より
医療・健康・介護のコラム
親の就寝時刻が、子どもの成長と学業に影響? 「親子で30分早く寝てみよう」
睡眠不足で成長ホルモン減少、肥満、学業成績低下
適切な睡眠時間が確保できないと、子どもにどんな影響があるのでしょうか。
白川さんは、<1>睡眠中に多く分泌される成長ホルモンが減り、発達に影響する <2>朝は眠くて食べられず、夜に集中して食べることで肥満になりやすい <3>睡眠不足や遅刻などで授業についていけず、学校システムから脱落しやすい……などを挙げます。不登校や、子どものうつ、自殺などにも、睡眠不足が関係していることがあるといいます。白川さんは「学業成績を心配するなら、塾に行かせるよりも前に、まずキチンと寝る習慣をつけさせてほしい」と訴えます。
日誌つけ現状把握 少し早く寝て子どもの観察を
とはいえ、各家庭の事情もあり、従来の生活リズムを急に大きく変えるのは難しそうに思えます。具体的にどうしたらいいのか、「健康な子どもの睡眠時間を守るために必要な12か条」を白川さんが教えてくれました。
健康な子どもの睡眠を守るために必要な12か条(白川さん作成)
- 子どもと自分の1週間の睡眠履歴を知る
- 規則的な就寝時刻、睡眠習慣を守る
- 子どもにとって十分な睡眠時間を確保する
- 就寝時刻が遅く、睡眠時間が不足している場合には、30分就寝時刻を早くし、少し様子をみる。朝の機嫌がまだ悪いようなら、さらに30分、就寝時刻を早め、機嫌が良くなるまで就寝時刻を早くする。起床時の機嫌が良く、朝食をしっかりと食べることができ、休日と平日の睡眠時間に1時間以上差がない……という状態になれば、子どもに必要な睡眠時間が確保できたということ
- 母親も早めの就寝を心がける
- 朝食は必ずとり、食事の時刻の規則性を保つ。夕食の時刻が遅くなるほど、子どもの就寝時刻は遅くなり、睡眠負債が蓄積しやすい
- 子どもは体を動かすと、良い睡眠が得られることを知る
- 子どもの寝室は、静かで暗く、快適な温湿度ときれいな空気。寝装具を清潔に保つ
- 子どもの寝室にはテレビやコンピューター、スマホ、テレビゲームを置かない
- 楽しい就眠儀式を習慣化する(絵本を一緒に読む、昼間の楽しかったことを話す、など)を習慣化する
- 子どものカフェイン摂取を制限する。午後3時以降はカフェイン含有飲料(コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、コーラ、カフェイン含有健康ドリンク)を飲ませない
- 一日は就寝から始まることを知っておく
一日の始まりは朝ではなく、寝る時刻
「まず睡眠日誌をつけて、自分と子どもの睡眠時間を把握する。必要な睡眠が確保できていなければ、しばらく、睡眠を最優先して生活してみることをお勧めします。親子ともふだんより、せめて30分だけでも早く寝て、子どもの様子がどう変わるかを見てください」と白川さんはアドバイスしています。
最後に、子育て中の親はぜひ覚えておきたい言葉を教えてもらいました。「一日の始まりは朝ではなく、就寝時刻。規則正しい生活習慣は、親から子への最大の贈り物」。
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