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子どもの健康を考える「子なび」

コラム

食物アレルギー(8)微量の増量と摂取 繰り返す

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  このシリーズでは、国立病院機構相模原病院臨床研究センター副臨床研究センター長の海老沢元宏さん(58)に聞きます。(聞き手・矢沢寛茂)

食物アレルギー(8)微量の増量と摂取 繰り返す

 食物アレルギーが5歳頃までに治らなかった場合、日本や欧米の専門医療機関では、研究段階の治療として「経口免疫療法」が行われることがあります。

 この治療は、症状が出る量を確かめた上で、それよりも少ない量からの摂取を始めます。毎日続けても症状が出なかったら、少しだけ量を増やします。こうして慎重に増量と摂取を繰り返すと、元々は症状が誘発された量を超えても、高い確率で摂取できるようになります。

 まだ一般的でなく、実施する前に、各施設の倫理委員会に治療内容など審査や承認を受けます。患者や保護者には、治療を受けることで誤って食べても症状が出にくくなるという利点の一方、治療中に予期せぬ重い症状が誘発される可能性もゼロではないといった不利益を説明した上で、同意してもらいます。

 5歳の女児は、血液検査で卵白に対するアレルギー反応を示す値が非常に高く、鶏卵(卵)を含む食品を除去していました。4歳の時、どの程度なら摂取可能かを調べる「経口負荷試験」を受けました。しかし、加熱した卵をわずか1グラム程度食べたところで腹痛が出ました。

 このままではわずかな量でアレルギーを起こす状態が続くと予想されました。両親の強い希望を受け、経口免疫療法を始めることにしました。

 重い症状に対応できるように入院して摂取を始めます。加熱した卵0・25グラムを取ったところ、唇が軽く腫れました。翌日はアレルギーを抑える薬を内服した上で同じ量を取ったところ症状はなく、退院して自宅で治療を継続することにしました。

 次回に続きます。

【略歴】

海老沢元宏(えびさわ・もとひろ)
 小児科医、アレルギー専門医。東京慈恵医大卒。最新情報を発信する「食物アレルギー研究会」の世話人代表。

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