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【アクティブライフフェスタ】人生100歳時代~人生をより豊かにするためのヒントを~

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五木さんらが人生後半の充実した過ごし方などを語ったイベント(=安斎晃撮影)

五木さんらが人生後半の充実した過ごし方などを語ったイベント(=安斎晃撮影)

 年を重ねても充実した時間の過ごし方を考えるイベント「人生100歳時代のアクティブライフフェスタ2019」(読売新聞東京本社主催、アデランス、太陽生命保険、大王製紙、山野学苑協賛)が10日、東京都千代田区のよみうり大手町ホールで開かれた。3部構成で、作家の五木寛之さんらが、長寿社会を生きるうえでの心の持ちようなどを講演した。

「貯金より貯筋」「人に教えられるくらい趣味を究めよう」

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野菜に加えたんぱく質を含む食品をとるように呼びかけた鎌田さん(=安斎晃撮影)

 第1部のメインの企画として、ベストセラー「がんばらない」などの著者で医師の鎌田實さんと、美容界に多くの人材を送り出している山野学苑総長の山野正義さんが対談した。健康に美しく老いることがテーマで、約400人が参加した。

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「退職後も人と接することは大切」と力説した山野さん(=安斎晃撮影)

 鎌田さんが、双子のうち見た目が若いほうが長生きの傾向があったとする海外の研究を取り上げ、「外見は大事」と述べた。山野さんは、ネクタイを締め整髪したところ 徘徊(はいかい) が無くなった高齢の男性を紹介、理由を「気持ちを落ち着かせた」と説き、さらに「きれいにする理由の半分は人に見てもらうため」と付け加えた。

 美しく健康でいるために「『貯金』よりも『貯筋』を」と鎌田さんは訴え、つま先立ちの状態からかかとをすとんと落とす運動や、たんぱく質の積極的な摂取を勧めた。山野さんは「年をとってもゴルフや踊りのような趣味を持ってほしい。人に教えられるくらいに究めれば人の役に立つことができる」と述べた。

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「きれいでいようという気持ちに定年はない」と語る宮内さん

 対談に先立ち、山野学苑教授の宮内康二さんが登壇。生きるほどに美しくなる方策を探る「美齢学」を紹介。「70歳過ぎまで学ぶ力は下がらない」「経験を重ねて培った着付けなどは高齢でもできる」と解説し、「シニアは結果よりも過程を重んじる傾向がある」とした。





健康をネタに笑い誘う

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ネタを交えて「認知症の予防には運動や、人と一緒に過ごすこと」と健康の話題を話したらく朝さん(=安斎晃撮影)

 第2部では、医学博士で落語家の立川らく朝さんが、健康をネタにした「健康落語」を、約400人を前に披露した。

 「胃カメラを飲むのが好きな人がいた。信じられない。どこが好きかと聞いたら、答えは『のどごしがいい』だって」、「人間ドックが大好きな人。駅前の病院を気に入ったのは、『バリウムが甘口』だから」。検査の話題で参加者を沸かせた。

 さらに、らく朝さんは、認知症の予防には運動とともに頭を使うことが大事と、医学の知識を交えて話を展開した。「ゴルフは昔から頭を使うスポーツで有名。プロの試合は『パー』じゃ勝てない」と語ると、会場からは笑いと拍手が起きた。

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認知症の人が増えるという予測や、治療にかかる費用を説明する原さん


 太陽生命保険営業企画部長の原耕平さんによる、認知症に備える保険についてのセミナーもあった。同社は3年前、生保業界として初めて認知症関連の商品の販売を始めた。

 昨秋には、「ひまわり認知症予防保険」と銘打った商品を発売した。認知症の前段階のリスクを調べる血液検査などを加入者が受けやすいよう、2年ごとに給付金を支払う商品だ。認知症の診断を受けた場合には保険金が支払われ、加入者が治療費などにあてられる。加入時の平均年齢は65歳前後で女性が多いという。

 同社の認知症関連の商品の販売数はこれまでに47万件を超えた。原さんは「老後の資金や認知症への備えは60、70歳であればできるが、その20年後は難しくなる」と訴えた。

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昭和30~40年代のニュースに関するクイズを出題し、参加者から思い出を聞いた山本記者

 続けて、読売新聞の昭和中期の記事や映像が盛り込まれたDVD「よみうり回想サロン」を使い、参加者に過去を振り返ってもらう回想コーナーが開かれた。思い出を語ることは脳の活性化につながるとされ、山本淳一記者がクイズを交え、参加者に昔の思い出について質問した。

 「昭和30年(1955年)頃から人気が沸騰した三人娘とは」との問いに、ある女性は「美空ひばりさん、江利チエミさん、雪村いづみさん」と3人を挙げて正答。町で子どもたちがフラフープを回す昭和33年の映像が流れると、ある女性は「学校からの帰り、友達と遊んだ」と振り返った。

孤独を楽しむ

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人生の後半戦を迎えての過ごし方を語った五木さん(=安斎晃撮影)

 第3部は、作家の五木寛之さんが「孤独を楽しむ」と題して、約500人の参加者を前に講演した。

 五木さんは、周囲に家族や友人がいても自分は一人と感じることを孤独と表現した。「50~70年連れ添った夫婦でもそれぞれ、孤独な人間。だからこそ、歩み寄って肩を寄せ合って生きていくのではないか」と述べた。

 人間は一人で生まれ一人で死んでいく、ととらえたとき、「死んだ後にどこに行くのか、行く所があるのか」という問いが頭に浮かび、答えを得られず不安がつきまとう、と五木さんは指摘。高齢者には時間と余裕があり、じっくり考えることは大きな価値がある、と訴えかけた。

 「死を深刻ではなく、軽やかに考え続けることが大事。孤独のうちにできるのは、一人一人が自分の信念や思想を作り上げていくことだろう」。五木さんはこう話して、講演を締めくくった。

認知症対応の保険商品、ウィッグなど各社がPR

 講演会場に隣接するホールでは、協賛する企業や法人がブースでそれぞれの事業や商品をPRした。

 アデランスは、薄毛などに悩む女性たち向けのウィッグや、まつ毛やまゆ毛の美容液をアピールした。

 太陽生命保険は、認知症に対応した保険の商品について、パンフレットを配布したり説明したりした。

 大王製紙は、高齢者が抵抗なくはけるように配慮した、パンツタイプの薄型オムツを展示し、サンプルを配布した。

 山野学苑は山野総長と著名人の対談ビデオを上映。健康と精神、外見の美を追求する大切さを訴えた。

 このほか、人形町酒店によるワイン販売、旅行読売出版社などによる駅弁の販売も行われた。

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