ごぼう先生のイス健康体操2.0
医療・健康・介護のコラム
管理栄養士ではない僕が、お年寄りに語る「食事」とは
介護の「ご」、予防の「ぼう」で、ごぼう先生と申します。2018年度は、約60か所の全国各地の皆様の前で講演や研修をさせていただきました。イスに座ったまま行う体操と、講話を半々くらいの時間の割合で構成しています。
必ずお話をする内容は、私の名前の由来でもある「介護予防」についてです。今の元気が、明日も 明後日 も、1か月後も1年後も続くにはどうしたら良いのか。
正解は明確にはないとお伝えした上で、私なりに、テクテク(運動)、モグモグ(食事)、ドキドキ(趣味)、コツコツ(交流)、ドキドキ(期待)の五つのキーワードを軸に体験談と体操を交えて、参加者自らの健康を考える時間を提供しています。

その中で管理栄養士でもない私が、モグモグ(食事)についてどのようにお伝えしているのか。講話の内容と、実際の体操の内容を動画でお伝えいたします。
美味しく食事が食べられることは当たり前じゃない
私は医師でもないし、食の専門家ではありません。介護事業を運営する者です。だからこそ、介護の現場から地域の皆様にお伝えできることがあります。
歩くことと同じように、食べることも機能の一部だということです。人間は9割以上の運動を無意識に行っています。日常の当たり前の動作を意識してみることが、介護予防の意欲を高めるポイントではないのでしょうか。
食べ物を飲み込む際に、食道ではなく誤って気管に入ってしまう 誤嚥 も突然に起こりえる事故です。介護や医療現場で数年お勤めの方々はヒヤリとした経験がある方も多いと思います。
ただ危機感を 煽 るだけの講演会では面白くありません。私は、ある施設で出会った100歳のおじいちゃんの話をよくします。
常に車椅子に乗っていて、手足は不自由、滑舌も悪いけど、笑うときは「ヒャッヒャヒャッヒャ」と、頬の筋肉はめちゃめちゃ動くのです。この笑いが起きると、周りにいる方たちも自然と笑顔になります。表情が大きく動くと、周りにいる方たちの表情を明るくする力がある。疲弊しやすい介護の現場では、このおじいちゃんの笑顔は介護スタッフにとっての栄養ドリンクのような存在だと感じました。
食べ物を飲み込むのも、笑顔を作るのも、多くの方々が普段は意識をしないで動かしている筋肉です。舌を動かす体操、表情筋を動かす体操を下記の動画で紹介しています。是非、筋肉の動きを意識しながら、表情を動かしてみて下さい。
友達や家族と外食に行くことは介護予防
食事は人間が生きる上では欠かせないことです。なので、文化によって考え方は様々なことは前提ですが、「食事を楽しむこと」として具体的に外食をお勧めしています。
食事は味だけでなく、コミュニケーションを活性化する力を持っています。また、食事という理由で人を集める力も持っています。私の祖母は特別養護老人ホームに2年前から入居していますが、正月とお盆と誕生日に実家に一時帰宅します。そのタイミングで孫やひ孫が一堂に集まり、我が家では「 宴 」が始まります。特養に居るおばあちゃんが、家族を集めてくれる存在なのです。
実際に、孤食は女性の1.4倍、男性は2.7倍「うつ」になる可能性が高まるという調査結果が出ています。
ある意味、デイサービスでの食事も外食です。外食の気分を味わえる各事業所の取り組みも、一つの介護予防に繋がります。
介護の現場を経験しているからこそ、伝えられるメッセージはまだまだ多くあると確信しています。それでは、皆様、お達者でー。

ごぼう先生の新作体操DVD3作品が、5月15日に発売予定です。
https://gobou.base.shop/items/18948773

【関連記事】
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
※個人情報は書き込まないでください。