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白血病患者に子どもを…卵子・精子保存費用 NPOがネット募集

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 子どもを望む若い白血病患者に卵子や精子を凍結保存する費用の一部を援助するため、NPO法人「全国骨髄バンク推進連絡協議会」(東京)は今月から、インターネットで寄付の募集を始めた。凍結保存の費用は公的医療保険が使えず、若い患者にとって負担が大きい。同会は、幅広い人たちに支援を呼びかけている。

 白血病は血液のがん。抗がん剤や放射線による治療を行うと、卵子や精子を作る機能が損なわれる恐れがある。子どもを希望する場合は、治療前に精子や卵子を凍結保存しておく。

 採取や凍結をするのに精子は2万~7万円、卵子は15万~45万円かかる。さらに保管する費用が精子では年間1万~6万円、卵子は5万円ほど必要だ。

 同会は2013年に基金を設置し、これまでに65人を支援した。だが、資金集めが難しくなっており、このままだと活動を続けられなくなるという。

 国は昨年3月に策定した「第3期がん対策推進基本計画」に、若い世代のがん対策を盛り込んだ。今年2月には、競泳の池江璃花子選手が白血病であることを公表し、若い世代のがん患者に注目が集まった。だが、費用負担の問題など課題は少なくない。

 同会は、ネット上で資金を募る「クラウドファンディング」で、1000万円を目標に集める。6月3日まで専用サイト「レディーフォー」(https://readyfor.jp/projects/marrow)で受け付ける。寄付金は、凍結保存の費用のほか、白血病の治療費の補助や病気の啓発用ハンドブックの作成にも使われる。

国や自治体の支援 求める声

 

 卵子や精子の凍結保存は、将来、子どもがほしいと願う若い患者にとって希望となる。

 四国地方の公務員男性(42)は2001年に「慢性骨髄性白血病」を発症し、翌年、骨髄移植を受けた。移植には放射線治療を伴うため、治療前に精子を凍結保存した。

 05年に結婚。体外受精で3人の子どもを授かった。「自分が育ったような温かい家庭をもちたいと思っていたので、赤ちゃんの顔を見た時は涙があふれてきました」と振り返る。

 ただ、卵子や精子を凍結保存しても、必ず子どもを授かれるわけではない。金銭面での負担も大きい。男性の場合、体外受精も含めて約100万円かかり、親に援助してもらったという。

 費用を補助する自治体は、滋賀県や埼玉県など一部に限られ、国の制度はない。男性は「若い世代は金銭的な余裕がない上、闘病中は働けない。国や自治体には、支援制度を作ってほしい」と訴えている。

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