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「がんサバイバー生存率」とは?
前向きになれる新指標
Q がん患者さんの生存率のグラフで、右肩上がりになっているのを見たよ。
ヨミドック 「サバイバー生存率」のグラフですね。がんを治療中の人や、がんを経験した人をサバイバーと呼びます。サバイバー生存率は、診断から1年、2年、3年と、それぞれの時点で5年後の生存率を示すものです。診断時は50%、1年は60%、2年は70%などと時間がたつほど上がっていくのが特徴です。
Q がんの生存率。だんだん下がると思っていた……。
ヨ よく使われる「5年生存率」のグラフは、診断時が起点になっていて、1~5年後にどれだけの人が生き残っているかを示しています。がんの種類にもよりますが、ほとんどは低下していきます。
Q サバイバー生存率はなぜ「右肩上がり」なの?
ヨ がん患者さんは早い段階で亡くなる人が一定数います。裏返せば、1年、2年と乗り越えることができれば、それだけ再発や亡くなる可能性が低くなることを示しています。再発の不安を抱えるサバイバーは多いと思いますが、治癒に向けて一歩一歩前進していることを視覚的にも伝えてくれるでしょ。だから「前向きになれる生存率」と言われることもあります。
Q ふーん。
ヨ 「治療や受診を続ける励みになる」「復職など、将来のことを具体的に考えられるようになった」という人もいます。がんと付き合いながら、生活する人が増えています。積極的に人生設計を考えるための、新しい指標といってもいいでしょう。
Q グラフは、どこで見られるの?
ヨ がん患者の情報を集める「がん登録」の協議会と患者団体が一緒になって、近く「 J ― CIP 」というがん患者や家族、医療者向けのウェブサイトを作るそうです。その中で、がんの種類別に確認できます。
Q あとで調べてみよう。
ヨ 生存率は、過去の患者さんの状況の反映です。治療はどんどん進歩しています。「過去」の数字にとらわれすぎないでくださいね。
(影本菜穂子/取材協力=伊藤ゆり・大阪医科大学准教授、天野慎介・全国がん患者団体連合会理事長)
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